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認知症は発症してしまうと完治が難しい病気です。そのため、発症をできるかぎり予防することが大切です。
この記事では、認知症を予防するためにできる日常生活で意識したいポイントや、効果的なトレーニング、食べ物について紹介していきます。
すぐに始められるものもあるので、ぜひ最後までお読みください。
認知症で最も多いアルツハイマー型認知症は、65歳以上で発症することが多い病気です。原因物質であるアミロイドβは、発症の20年ほど前に形成され徐々に増えていくため、例えば65歳で発症した場合、45歳くらいのときからアミロイドβの蓄積が始まっていると考えられます。
したがって、認知症発症の数年前に予防を始めても時すでに遅く、破壊された脳細胞が回復することはありません。
また、40代から増加する高血圧や糖尿病などの生活習慣病があると、認知症発症の可能性は倍になるといわれています。これら生活習慣病を予防することは認知症発症の予防にもつながるということです。
これらのことから、認知症の予防は40代から始めるのがおすすめといえます。
認知症発症の最大の原因は加齢です。加齢を防ぐことはできませんが、生活習慣を見直すことでその他の原因である脳梗塞などは防ぐことができます。
ここからは、認知症予防に必要な8つの心がけを紹介します。
認知症を予防するためには体が健康なだけでは不十分であり、心も健康であることが必要です。
ストレスや不安を感じる生活は、認知症発症の原因の1つといわれています。
心の健康を保つには、日常生活を送る上で以下の9項目を意識しましょう。
心の健康は、人が自分らしく生きていくために大切なことです。上記の9項目のうち、できることから始めてみましょう。
認知症を防止するには、規則正しい生活を心がけましょう。
規則正しい生活とは、「健康3原則」を心がけた生活のことです。「健康3原則」とは、調和の取れた食事、適切な運動、十分な休養・睡眠のことです。
例えば、定年退職後は生活のリズムが乱れがちです。
朝早く起きる必要がなくなったからといって、昼近くまで寝ていると朝食が取れず、昼食と夜食のみになり、必要な栄養素を摂取できなくなります。炭水化物主体の高カロリー食や、低脂肪食、低たんぱく食は認知症発症のリスクを高める可能性が指摘されています。
また、アルツハイマーの原因とされている、アミロイドβはノンレム睡眠時に脳内から排出される性質があります。睡眠時間が短いとノンレム睡眠が不十分になり、アミロイドβが脳内にたまってしまい、認知症発症のリスクが上がってしまうのです。
反対に必要以上に睡眠時間が長い(9時間以上)と睡眠の質が下がり、ノンレム睡眠の時間が不十分でやはり認知症発症のリスクが上がります。
ストレスがたまると、コルチゾールというストレスホルモンが急激に分泌されます。
コルチゾールは血管を収縮させるため、血圧が上がり血流も悪くなります。血流が悪くなれば、脳に供給される栄養や酸素も減少し、その結果、記憶をつかさどる海馬が委縮し認知症発症の原因となるでしょう。
常にストレスを抱えている人は、認知症発症のリスクがあるといえます。
ストレスを解消するには以下の方法が有効です。
他者とのコミュニケーションは、認知症予防に効果があるといわれています。家族や知人ではなく「他者」というところがポイントで、それほど親しくない人との会話は脳を使うのに良い機会です。
例えば、相手の言葉を理解するために相手の表情を読み取り、その理解を前提に考えながら返答します。よく知らない相手に対し、機嫌を損ねないように気を使いながらそれを続ける必要があるため、相当頭を使うことになります。
また、家族や知人間なら阿吽(あうん)の呼吸で省略しても理解できるようなことでも、初めての相手ではその前提となる共通認識がないため、きちんと伝わるように1から10まで言葉にしなければなりません。
このように、他者との会話は認知症予防のための良いトレーニングになります。
高齢者が趣味を楽しむことは、認知症予防に効果的です。趣味を楽しむと脳に知的な刺激が与えられ、それが認知症予防に効果があります。
認知症予防の効果が期待できる趣味を2つ紹介します。
ウォーキングなどの有酸素運動、ストレッチ、軽い筋トレなどを週に2~3回以上、1回30分以上すると、認知症予防になります。
また、これらの運動は筋力・体力の維持にもつながり、寝たきり防止にも役に立ちます。
昔からいわれていることですが、指先に刺激を与えると脳の活動が活性化します。手芸や工作、日曜大工、模型づくりなどは指先の刺激だけでなく、集中力を使い考えながら作業する必要があるため、脳の活性化につながります。
お酒を多量に飲む人は、認知症の原因となる脳梗塞のリスクが高くなることが分かっています。具体的には、日本酒2.5合以上のアルコールを摂取すると、脳梗塞のリスクが約1.7倍、脳出血のリスクは約2.2倍になるという報告があります。
アルコールには利尿作用があるため、飲酒をすると水分不足に陥りやすく、水分不足になると脳の血流が低下し、血栓ができやすくなってしまいます。
喫煙も認知症のリスクを高めるといわれており、喫煙者は非喫煙者に比べて2~3倍の認知症のリスクがあります。それだけでなく、喫煙は骨代謝を阻害するため、骨折もしやすくなるといわれています。
高齢者の場合、骨折から寝たきりになり、認知症が一気に進む可能性があるのです。
生活習慣病も認知症の原因になり得ます。
高血圧により脳の血管が破れて脳出血を起こしたり、糖尿病や脂質異常症により血流が悪くなることで脳の血管が詰まって脳梗塞を起こしたりといった恐れがあります。
脳出血や脳梗塞は、血管性認知症の原因となります。
また、糖尿病の人はアルツハイマー型認知症になりやすいことも知られています。
糖尿病になると、インスリンというホルモンの分泌が減少します。インスリンには、アルツハイマーの原因となるアミロイドβを分解する働きがあり、これが減少するとアミロイドβが蓄積されやすくなり、アルツハイマー型認知症を発症しやすくなるのです。
これらの生活習慣病の予防が、認知症予防につながるといっても過言ではありません。
健康診断を定期的に受けることで、認知症を未然に防げる可能性があります。
健康診断で、認知症の原因となる糖尿病などの生活習慣病にかかる危険があると診断された場合、医師の指導を受けながら生活習慣の改善を行い、生活習慣病を防ぎましょう。
健康診断は少し荷が重いという方は、近所のかかりつけ医を決めて、定期的に受診することがおすすめです。
また、健康診断だけではなく、自治体によっては血液から軽度認知障害のリスクを検査できるMCIスクリーニング検査プラスを無料で受診できるところもあるので、積極的に活用しましょう。
認知症予防に効果的なすぐに始められるトレーニングを5つ紹介します。どれも簡単なものなので、すぐに始めてみましょう。
脳トレとは、脳を刺激し活性化させるトレーニングです。認知機能は年齢を重ねるごとに低下していきますが、定期的・継続的に脳トレを続けることによって、認知機能の低下を防ぐ効果が期待できます。
認知症予防や認知症の進行を遅らせる以外にも、脳トレの種類によってはコミュニケーションが活発になる、ストレスを解消できるなどのメリットもあります。
脳トレは、専門書やゲームソフトがなくても行うことができます。例えば、日常生活において買い物の代金を暗算することで、記憶力や計算力のトレーニングになります。
日常生活の中にはさまざまな脳トレが隠れているので、これらを意識的に行うことで、脳を活性化させましょう。
テレビゲームやオンラインゲーム(eスポーツ)は高齢者にとってなじみが薄いかもしれませんが、高齢者の認知機能の低下を防ぐ効果が期待できます。
例えばRPGでは、画面のキャラクターを手元のコントローラーで操作します。画面を見、音を聞いてキャラクターをコントローラーで適切に操作しなければなりません。
この一連の操作を細かく見ていくと、画面を見ることで視覚を、音を聞くことで聴覚を、それらを認識することで脳の認知機能を使います。また、コントローラーでキャラクターを操作することで運動機能が使われます。
このようにテレビゲームは、さまざまな知覚や認知機能・運動機能を使うので、認知症予防効果が期待できるでしょう。
また、最近では全身を使うタイプのテレビゲームも人気があります。環境に合わせて、手軽に楽しみましょう。
囲碁や将棋も認知症の予防におすすめです。思考力や記憶力をフルに活用するため、脳の活性化につながります。特に鍛えられるのは前頭葉で、この部位は思考や創造性を司っています。
囲碁や将棋は、相手の手を予想しながら次の一手を打ちますが、人は過去の経験をもとに次の一手を考えるといわれています。この過去の経験を参照するときに、前頭葉を使うのです。
また、囲碁や将棋は、対局相手と自然とコミュニケーションも生まれるので、より前頭葉が活性化します。
ただし行うことに意味があるため、勝ち負けにはあまりこだわらないようにしましょう。
運動をすると血行が良くなり、脳の血流が良くなります。運動を継続的に行うと、脳の血流はさらに良くなり、脳が活性化します。
認知症予防に効果的な運動を2つ紹介します。
1つめは、ウォーキングです。特別な道具や設備も必要なく、ウォーキングシューズと運動着があればすぐに始められます。
ただし、認知症予防としてウォーキングをするには、ポイントが3つあります。
これらを意識すれば、ウォーキングがただの散歩にはなりません。
もう1つは、ラジオ体操です。ラジオ体操は、実は骨・関節・筋肉をまんべんなく動かせる優れた全身運動です。
ラジオ体操は全身の機能を高め、体力を増進させる効果があります。特別な道具も広いスペースも必要なく、すぐにでも始められます。
料理をつくることも認知症予防に効果があります。料理をつくるには、各段階で頭を使うポイントがあります。
栄養のバランスや味に偏りがないようにメニューを考えます。
どこに何を買いに行くのか、またどの順番で買い物をするのが効率的か考えます。
できたてを食べられるように、食事の時間から逆算して調理を開始します。
料理は段取りが大切です。無駄がないよう効率良く料理できるよう考えます。
料理は見た目も大事です。食欲をかき立てるようにおいしそうな盛り付けを考えます。
また調理では、包丁で食材を切る、指先でこねたり包んだりするなど指先を使う作業も多く、脳に刺激を与えます。
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認知症予防に効果的な食べ物・飲み物を9つ紹介します。
認知症になる原因は様々で、脳の働きが弱まることが主な理由です。予防するためには、脳を健康に保ち、老化を遅らせることが大切です。そのためには、生活習慣を改善することや、食べ物に気を使うことが役立ちます。
具体的には、以下の点に気をつけましょう。
毎日の食事に気を配ることが、認知症を予防する大切なポイントです。食べ物を選ぶときは、以下の脳や身体に良いものを選んで、元気な毎日を送りましょう。
認知症の発症を予防する方法を紹介しましたが、100%というわけではありません。
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