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「親の終活で子供は何をしたらいいのだろう」と迷っている方も多いのではないでしょうか。親の終活を手伝えば親の荷物も整理でき、ひいては子供の負担軽減につながります。
本記事では、親の終活で子供がやっておきたい6つのことと注意点を解説します。記事を読むと、親に終活を言い出しづらいときの切り出し方も分かるようになるでしょう。
田中 総
(たなか そう)
司法書士
2010年、東証一部上場の不動産会社に新卒で入社し、10年以上に渡り法人営業・財務・経営企画・アセットマネジメント等の様々な業務に従事。
法人営業では遊休不動産の有効活用提案業務を担当。
経営企画では、新規事業の推進担当として、法人の立ち上げ、株主間調整、黒字化フォローの他、パートナー企業に出向して関係構築などの業務も経験。
司法書士資格を取得する中で家族信託の将来性を感じ、2021年6月ファミトラに入社。
田中 総
司法書士資格保有/家族信託コーディネーター/宅地建物取引士/不動産証券化協会認定マスター
東証一部上場のヒューリック株式会社 入社オフィスビルの開発、財務、法人営業、アセットマネジメント、新規事業推進、経営企画に従事。2021年、株式会社ファミトラ入社。面談実績50件以上。首都圏だけでなく全国のお客様の面談を対応。
親の終活を子供が手伝うことの意義は以下の4つです。
子供にとっては負担軽減につながるなどのメリットもあります。以下で見ていきましょう。
親の終活を子供が手伝うと、やがて訪れる遺品整理の手間が少なくなります。高齢の親だけでは捨てられなくなった重い荷物なども多いためです。
自分たちだけでは踏ん切りがつかず、迷った場合は捨てられない荷物も多いでしょう。子供が一歩離れた立場から、長年にわたって捨てられないものが今後必要かどうかが分かります。
親の終活を手伝わなければ、不要な物が家の中にあふれてしまいがちです。親と一緒に片付けることで、将来の遺品整理の負担が少なくなります。
一緒に作業すれば、親にとっても大切な物をうっかり捨てるリスクが少なくなるでしょう。
親の財産を正確に把握できる点は、親の終活を子供が手伝う大きなメリットです。特に別居している場合には、終活を親に任せておくといざというときに必要なものの場所が分かりません。
終活でいくつもある預貯金口座を1つにまとめたり、相続手続きの準備をしたりすることで、親の銀行口座や所有不動産、加入している生命保険などが分かるようになります。
親にはもとより大切な財産ですが、子供もいずれ引き継ぎます。終活を手伝うことで親の財産を正確に把握できる点はメリットといえます。
親と一緒に終活の準備をすると、親の希望や意思を大切にできます。終活の準備もしないまま親の最期を迎えてしまうと、親がどんな葬儀を望んでいたのかが分かりません。
また、認知症になってしまうと、どのような介護・医療を希望しているのか分からないケースが多いでしょう。
親にとっても、お墓や葬儀・供養などについては、子供に負担をかけるため言い出しにくい話題です。親の終活を手伝うと、親の介護・医療、葬儀・供養などについての想いが分かり、親の希望や意思を大切にできるでしょう。
親子といってもゆっくりと話せないことも多いでしょう。親子で終活の準備をしていれば、子供が産まれたときや小さかった頃の懐かしい話などもできます。今まで以上に親子の絆が強まるかもしれません。
終活準備の期間を一緒に過ごすことで、お互いを理解し合えて安心感にもつながります。お互いを思いやり、安心・信頼感につながることは上述の3つのメリットよりも大きいといえるでしょう。
親の終活で子供がやっておきたいこととして、下記の6つが挙げられます。
後になって困らないためにも、エンディングノートの作成などから少しずつ進めていきましょう。
これまでの親の人生を振り返るためにも、エンディングノートを作成してもらいましょう。親に「エンディングノートをつくっておいて」と言っても、自分では作成できない方が少なくありません。返事だけで終わってしまう可能性が高いといえます。
誕生日などの機会にプレゼントと一緒にエンディングノートを渡すのがおすすめです。エンディングノートだけを渡すと、親に人生の最期を連想させてしまうためです。何かの折に親よりも先にエンディングノートを作成して、書き方のコツを伝えるのも1つの方法です。
ただし、嫌がるようであれば無理につくらせないほうがいいでしょう。嫌がる方には、終活の大切さについて時間をかけて理解してもらう必要があります。
エンディングノートを作成して問題がなければ、続いて遺言書の作成を提案してはいかがでしょうか。エンディングノートだけでは、法的な効力がないためです。
エンディングノートや遺言書の作成にも抵抗がないようなら、親と財産整理を行いましょう。高齢の親であれば、認知症などで判断能力が将来失われる可能性もあります。2025年には65歳以上の高齢者のうち、約5人に1人が認知症患者になるといわれているほどです。
親の判断能力が著しく低下することにより、保有している不動産・株式の売買はもちろんのこと、銀行口座からの預貯金・年金の引き出しなども困難になってしまいます。それでは親の介護費用や医療費に充てることができません。
不測の事態も考慮に入れて、親子間での任意後見契約の締結や金融機関への代理人届出も検討したほうがいいでしょう。
なお、財産整理に当たっては他の兄弟などにも詳細を報告し理解してもらうことで、親族間のトラブルに発展しないよう注意しなければなりません。
上述の通り親の終活を子供が手伝えば、やがて訪れる遺品整理の手間が少なくなります。物の整理をするにはかなりの労力が必要なため、一緒になって手伝うことをおすすめします。
家の中のあちこちから出るごみの分別も手伝ってあげれば、必要なものを誤って捨ててしまうこともありません。不要なものだけを処分し、今後も必要なものは再度整理して使いやすく収納してあげましょう。
一緒に作業することで親だけでの終活よりも効率が上がり、家の中の断捨離が進む可能性が高くなります。
多少思い出の入った捨てづらいものは、親に断捨離する気持ちがあれば、どんど焼きなどに出してあげるようにしましょう。どんど焼きなどは、親が納得して処分しやすい方法の1つといえます。
最近では、パソコンやスマートフォンを使いこなす高齢者の方も多くいます。デジタル遺産とは、亡くなった方が保管していたデジタル形式の財産です。
デジタル遺産の代表的なものは、下記の通りです。
デジタル遺産は、親と一緒に終活準備をしていなければ見逃してしまいがちな財産です。この先は親もパソコンなどの操作が難しくなるため、同意の上で適切に整理してあげるといいでしょう。
介護・医療・お墓などの希望は、親も言い出しづらいものです。費用がかかり、子供に迷惑をかけると考えてしまうためかもしれません。
終活準備の今だからこそ、介護が必要になった場合の希望や、終末期の医療などについての希望があれば聞いておきましょう。
お墓や供養をどうするかについても、親の希望をしっかりと聞いておくことが大切です。近年は家族葬をはじめとして、永代供養・散骨・樹木葬などの方法を取る方もいます。
一緒に住んでいなければ、遠い親族や親の知人のことまでは分かりません。エンディングノートに書いてあれば問題ありませんが、親族や知人のことまで詳細に書くのが難しい方もいるでしょう。
身じまいに向けて思い出話をしながらでも、親族や知人の連絡先を把握しておく必要があります。いざとなってから調べても、簡単に分かる情報ではないからです。
この段階まで親と一緒に終活準備をしていれば、親も自身の身じまいに向けて話をしやすくなるでしょう。
親の終活を子供が手伝う際のポイントと注意点は以下の通りです。
終活では親も自分の人生の最後を考えるため、デリケートな部分が多くあります。決して無理強いをしないようにしましょう。
親の終活を手伝うに当たっては、決して無理にやらせないことです。そもそも終活は、誰にでもいつかは訪れる「人生の終わりに向けた活動」です。
非常にデリケートな部分なので、親子であっても無理強いしてはいけません。これまでに築いた親子関係が悪化してしまう恐れもあるからです。
一度でも無理にやらせてしまうと、もう二度と終活には応じなくなる可能性が高くなります。本人の自主性を尊重しましょう。
終活は親が元気なうちから始めるのがポイントです。認知症や病気がちになってからでは、作業が困難になるでしょう。
終活には労力と思考力などが必要なため、親が元気なうちに子供が手伝うことが大切です。
親が高齢になって終活の機会を失ってしまうと、親が最期に何を望んでいたかが分からなくなってしまいます。そのため、終活は早めのスタートがおすすめです。
親の終活というデリケートな作業を子供が手伝うためには、親の自主性と意見を尊重する必要があります。
終活を手伝うという親子の共同作業になるので、お互いの意見を共有し合うことが大切です。
子供は親が残りの人生の時間を大切に過ごせるように、今をより良く生きられるための協力をしてあげましょう。
親の終活を手伝う際の注意点として、自分1人で行おうとしないことです。親との終活で財産の整理などをしていると、他の兄弟などから見れば心配になってしまうからです。
兄弟には、親の「人生の終わりに向けた活動」を手伝っていることを分かりやすく伝える必要があります。親との終活の内容についても、親の了解を得た上で兄弟と共有しておかないと後になってトラブルになってしまいます。
また、親の終活を手伝う中で困った場合には、抱え込まずに兄弟などの親族に積極的に相談するようにしましょう。
自分1人で行おうとしないことが、親の終活を子供が手伝う際のポイントです。
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子供でも親に終活を言い出しづらいものです。ここではおすすめな切り出し方を紹介します。
終活をネガティブに捉えずに、今からの人生をより良く生きる手段として感じてもらえるよう話すのがおすすめです。
終活を勧める子供自身が、先に終活を始めましょう。終活を始めてみて良かった点や、今後の人生がより良くなることを伝えるのがおすすめの切り出し方です。
親もいずれは始めなければと思っているかもしれません。子供が親より先に終活を始めて、きっかけをつくってあげることも大切です。
切り出し方のポイントは、人生の残りを整理するというネガティブなイメージではなく、終活によって今よりもより良く生きていけるというポジティブな点を伝えることです。
知人や有名人の終活のケースから入るのも、親に終活を言い出しづらい場合におすすめな切り出し方です。
親も知り合いが終活を始めたと分かれば、興味を示してくれる可能性が高くなります。
また、芸能人などの有名な方が終活をして、都内の一等地を売却したという有名な終活のケースもあります。
親が知っている芸能人などであれば、言い出しづらいときにおすすめの切り出し方といえるでしょう。
親に終活を言い出しづらいのは、自分自身がネガティブなイメージを持っているからかもしれません。終活本来の目的を伝えることが大切です。
終活とは、残りの人生の時間を大切に過ごすための活動であり、今をより良く生きるために行うものです。
本来的には終活を行うことで、今後の人生がさらに生きやすくなります。親の将来に向けてのポジティブな話を随所に織り込むことも、おすすめの切り出し方といえます。
親の終活を子供が手伝うメリットは、遺品となる荷物を整理できて子供の負担軽減にもつながり、親の財産を正確に把握できることです。
まずはエンディングノートの作成などを手伝い、少しずつでも進めてもらいましょう。
また、親の終活を子供が手伝う際には、決して無理にやらせないことが一番のポイントになります。
終活を強く勧めるあまり、親子関係が悪化することがないように本記事を参考にしていただければ幸いです。
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