若年性認知症とは?初期症状の特徴・原因・進行速度など徹底解説

若年性認知症とは
ファミトラの活用事例 サービスガイド

活用事例やよくある質問、家族信託の仕組みなどをまとめたファミトラガイドブックがお手持ちのスマホやパソコンで閲覧できます!

ファミトラの活用事例 サービスガイド

活用事例やよくある質問、家族信託の仕組みなどをわかりやすく約30ページにまとめたファミトラガイドブック(デジタル版)がお手持ちのスマホやパソコンで閲覧できます!

65歳以上の高齢者が発症することの多い認知症ですが、65歳未満の現役世代でも発症するケースがあります。

65歳未満が発症する認知症は「若年性認知症」と呼ばれ、65歳以上の高齢者が発症する認知症とは区別して扱われていることが特徴です。

この記事では、若年性認知症について、初期症状の特徴や原因、進行速度などについて解説します。
認知症は高齢者でなくても発症するケースがあることを理解し、早期の治療につなげていきましょう。

目次

若年性認知症とは

タイピング

若年性認知症とは、高齢者になる前の65歳未満で発症する認知症のことです。

若年性認知症には特有の症状があるわけではなく、65歳以上が発症する認知症と区別するために「若年性認知症」と呼ばれています。

65歳未満、すなわち働き盛りの人が認知症になると、仕事が続けられなくなったり子どもに大きな影響が及んだりする可能性があります。

本人も含めた家族が普段通りの生活を送れなくなる可能性があるなど、若年性認知症特有の問題が生じるため、区別して呼ばれているのです。

高齢者が発症する認知症との違い

高齢者が発症する認知症と若年性認知症との違いには、次のようなものがあります。

  • 家庭への経済的な影響が大きい
  • 男性のほうが発症しやすい
  • 受診が遅れやすい

前述した通り、働き盛りの人が認知症になると、高齢者が発症する認知症よりも家庭への経済的な影響が大きくなりやすい傾向があります。

また、一般的な認知症は女性のほうが多く発症しますが、若年性認知症は男性のほうが発症しやすいことも特徴の1つに挙げられます。

加えて、家族も含めて「認知症かもしれない」という認識が薄いため、今までと違う変化があっても受診が遅れやすいことも若年性認知症の特徴です。

若年性認知症を発症する確率・割合

日本医療研究開発機構の調査によると、2018年時点での若年性認知症患者の数は約3.57万人と推計されています。

若年性認知症を発症する割合は、18〜64歳の人口10万人あたり50.9人と推計されており、全体の約0.05%が発症しているといえます。

参考:若年性認知症の有病率・生活実態把握と多元的データ共有システム|国立研究開発法人日本医療研究開発機構

若年性認知症の原因

考える

若年性認知症の原因となる病気には、次の3つが挙げられます。

  • アルツハイマー型認知症
  • 血管性認知症
  • 前頭側頭型認知症

それぞれの病気について見ていきましょう。

アルツハイマー型認知症​

認知症の原因となる病気で最も多いのがアルツハイマー型認知症です。

若年性認知症に関する調査結果によると、若年性認知症の原因となる病気は約半数にあたる52.6%がアルツハイマー型認知症であることが分かっています。

アルツハイマー型認知症は、タンパク質の一種が脳に蓄積することにより脳の神経細胞が徐々に減少し、脳が正常に働かなくなる病気です。

症状が軽微な段階では自立した生活を送れます。
しかし、症状が進行すると徐々に記憶が薄れていくだけでなく、時間や場所が分からなくなったり、判断力や理解力が低下するなどの症状が見られ、自立した生活を送ることが難しくなります。

参考:若年性認知症の有病率・生活実態把握と多元的データ共有システム|国立研究開発法人日本医療研究開発機構

血管性認知症

血管性認知症は、若年性認知症の原因となる病気の中で、アルツハイマー型認知症に次いで2番目に多い病気です。

血管性認知症は、脳出血や脳梗塞など脳の血管に障害が起きることで発症します。
症状は、脳のどの領域に障害が出るかによって異なる点が血管性認知症の特徴です。

具体的には、アルツハイマー型のような記憶障害や判断力・理解力の低下だけでなく、歩行障害や排尿障害、抑うつ、感情失禁など、さまざまな症状が出る可能性があります。

脳出血や脳梗塞など脳の血管に障害が起きるたびに症状が悪化するため、早めの対処が大切です。

参考:若年性認知症の有病率・生活実態把握と多元的データ共有システム|国立研究開発法人日本医療研究開発機構

前頭側頭型認知症​

前頭側頭型認知症は、若年性認知症の原因となる病気の中で、アルツハイマー型認知症、血管性認知症に次いで3番目に多い病気です。

思考や社会性などに関わる前頭葉と、知識や感情などに影響のある側頭葉に障害が起きることで発症する病気であり、他の認知症とは異なる症状が多く出ることが特徴です。

前頭側頭型認知症の症状の具体例として、次のようなものが挙げられます。

  • 万引きや信号無視など、社会性を失った自分本位の行動
  • 毎日同じ時間に同じことをする常同行動
  • 過食になったり濃い味付けを好むようになったりする
  • 感情が鈍くなり共感できなくなる

一方、他の認知症の代表的な症状ともいえる記憶障害は起きにくいことも、前頭側頭型認知症の症状における大きな特徴です。

参考:若年性認知症の有病率・生活実態把握と多元的データ共有システム|国立研究開発法人日本医療研究開発機構

若年性認知症の症状の特徴

思い出す

若年性認知症の症状の特徴について解説します。

認知症の症状は、大きく分けると「中核症状」と「行動や心理症状」の2種類があるため、それぞれの症状の特徴について見ていきましょう。

中核症状

中核症状とは、脳の機能に障害が起きることで引き起こされる認知症の基本的な症状のことです。

中核症状の具体的な特徴は、主に次の3つです。

  • 物忘れが増える
  • 判断力や理解力が低下する
  • 場所や時間の感覚が鈍くなる

物忘れが増える

若年性認知症の症状として、物忘れが増えることが挙げられます。

老化による物忘れと認知症による物忘れを見分ける点は、忘れてしまった体験の内容にあります。

食事を例にすると、老化による物忘れでは昼食の献立のうち数品忘れてしまうことが多々あるでしょう。
一方、認知症による物忘れでは、そもそも昼食を食べたこと自体を忘れてしまっていることが多くあります。

このように、老化による物忘れでは体験の一部を忘れてしまっているのに対し、認知症による物忘れでは体験そのものを忘れてしまうのが特徴です。

判断力や理解力が低下する

判断力や理解力が低下することも、認知症の症状の1つです。

例えば、職場で同僚から仕事の説明を受けた際、難しくない内容でも理解に苦しんでしまうことがあります。
また、家でも料理の仕方や洗濯物の畳み方が分からなくなってしまうこともあるでしょう。

このように、若年性認知症になると、今までなら難なく判断・理解できていたものができなくなることがあります。

場所や時間の感覚が鈍くなる

認知症の症状の特徴には、時間や場所の感覚が鈍くなることも挙げられます。

時間や場所の感覚が鈍ることで、現在の時刻や居場所が分からなくなってしまうことがあるでしょう。
また、待ち合わせの時間を間違えてしまったり通い慣れた道で迷子になってしまったりすることもあります。

このように、時間や場所の感覚が鈍る見当識障害が引き起こされるのも認知症の症状の特徴です。

行動や心理症状の特徴

一方、中核症状により、次のような行動や心理症状が引き起こされることもあります。

  • 意欲が低下する
  • 不安や被害妄想が増える

意欲が低下する

中核症状がハッキリ出るようになると、日常生活でできないことが多くなり、生活に支障をきたす場面が増えます。

そうすると、自分に自信を持てなくなり気分が落ち込んだり意欲が低下してしまったりすることがあります。

例えば、今まで参加していたボランティアに行かなくなったり、毎試合駆けつけていた子どもの発表会や授業参観などに行かなくなったりなどの状況が該当します。

これまで大好きだったことでも気乗りしなくなるため、日常生活が大きく変わってしまうこともあるでしょう。

不安や被害妄想が増える

中核症状が出るようになると、自分が認知症であることを自覚する場合も少なくありません。

認知症であるという自覚はなくても、認知機能が低下し、いつも通りに生活できないことを認識し、不安に感じてしまうこともあるでしょう。

また、周囲から心ない言葉をかけられてしまうと、不安の度合いが増したり「自分は必要じゃないんだ」という被害妄想が増えてしまったりすることがあります。

このように、周囲の言動が認知症の症状を強めてしまう可能性もあるため、どのような言葉をかければ良いのか、どのように接すれば良いのかを事前に理解しておくことが大切です。

高齢の親御様にまつわるお金の管理でお悩みの方は
無料相談・資料請求をご利用ください

家族信託 無料相談
  • 高齢の親の生前の財産管理にお悩みの方
  • 後見制度と家族信託どちらの制度がいいか悩んでいらっしゃる方
  • 親の不動産を相続したが、管理できない方
  • 実家が空き家で対応に困っている方
  • 認知症による預金凍結が不安な方

お気軽にまずは無料相談をご活用ください。

高齢の親御様にまつわるお金の管理でお悩みの方は無料相談・資料請求をご利用ください

  • 高齢の親の生前の財産管理にお悩みの方
  • 後見制度と家族信託どちらの制度がいいか悩んでいらっしゃる方
  • 親の不動産を相続したが、管理できない方
  • 実家が空き家で対応に困っている方
  • 認知症による預金凍結が不安な方

お気軽にまずは無料相談をご活用ください。

電話受付時間:9:00〜18:00(平日)

若年性認知症の進行速度

注意

若年性認知症は、高齢者が発症する認知症に比べて進行速度が速い特徴があります。

高齢者が発症する認知症の2倍以上のスピードで進行するといわれることもあるほどです。

日々、どんどん症状が悪化してしまうケースもあるため、「いつもと違うな」「何かおかしいな」と感じたときには、早めに医療機関を受診するようにしましょう。

若年性認知症と診断されたときに頼れる公的機関

障がい者手帳

若年性認知症と診断されたときには、次のような公的機関を頼ることができます。

  • 自立支援医療
  • 精神障害者保健福祉手帳
  • 傷病手当金
  • 障害年金

それぞれ見ていきましょう。

自立支援医療

自立支援医療とは、若年性認知症などの障害を抱えている人の医療費負担が軽減される制度です。

医療費は通常3割負担が原則となっていますが、自立支援医療が適用されると1割負担か所得に応じて設定された上限額の負担だけで済みます。

若年性認知症の治療において自立支援医療の対象となるのは、通院医療と更生医療の2種類のみであり、入院治療には適用されません。

精神障害者保健福祉手帳

医療機関から認知症と診断されて6カ月が経過すると、精神障害者保健福祉手帳の申請が可能です。

精神障害者保健福祉手帳を持っていると、次のようなサービスを受けられます。

  • 公共料金(NHK受信料など)の割引
  • 所得税・住民税などの税金の控除
  • 障害者職場適応訓練の実施

また、地域や事業者によっては次のようなサービスを受けられる場合もあります。

  • 交通機関の運賃割引
  • 携帯電話料金・水道料金の割引
  • イベントや公共施設の入場料の割引
  • 福祉手当の支給
  • 通所交通費の助成

精神障害者保健福祉手帳の申請をするには、お住まいの市区町村の窓口に次の書類を提出してください。

  • 申請書
  • 診断書(精神障害の初診日から6カ月以上経過した後に精神保健指定医が記載したもの)
  • 本人の写真

診断書は、精神障害によって障害年金を受給している場合は年金受給の証書の写しでも代替可能です。

傷病手当金

傷病手当金とは、全国健康保険協会や健康保険組合に加入している場合に、病気や怪我が原因で仕事を休むと支給を受けられる補償です。

仕事を3日以上休んだ場合に、4日目から通算して1年6カ月間、傷病手当金の支給を受けられます。

これまでは、支給開始から1年6カ月の間に出勤できた期間があれば、その期間は支給の対象外でした。

しかし、令和4年1月以降、一時的に出勤できた期間があっても、その期間は支給期間としてカウントされず、出勤できた期間を除いて通算して1年6カ月間は支給を受けられるようになっています。

障害年金

障害年金とは、病気やけがで仕事ができなくなった場合に、現役世代も受け取れる年金のことです。

法令によって定められた「障害等級表」に該当する場合、国民年金加入者は障害基礎年金、厚生年金加入者は障害厚生年金を受給できます。

もし、障害厚生年金に該当する障害よりも軽微な障害が残った場合には、障害手当金という一時金を受け取ることが可能です。

また、障害基礎年金や障害厚生年金(障害等級1級・2級のみ)を受ける方は、国民年金保険料の納付が免除されます。

まとめ

握手

若年性認知症は65歳未満が発症する認知症です。男性の発症率が高く、発症した場合は家庭への経済的な影響が出やすい特徴があります。

若年性認知症の原因となる病気にはさまざまなものがありますが、中でもアルツハイマー型認知症や血管性認知症、前頭側頭型認知症が大きな割合を占めます。

高齢者が発症する認知症に比べて、進行速度が2倍以上になることもあるため、早期発見と早期治療が欠かせません。

「若いから認知症ではない」と判断するのではなく、日常生活に違和感を覚えたらすぐに医療機関を受診するようにしましょう。

ファミトラでは、今まで以上に専門性と柔軟性のある対応を心がけ無料相談を受け付けています。認知症による資産凍結を防ぐための対策に興味のある方は、ファミトラまでご相談ください。

弁護士や司法書士など相続の専門家をはじめ、家族信託コーディネーターが無料相談を承っております。

また、家族信託の相談の前に自分で知識を習得したい、家族信託のことがよくわからない、家族信託についての基礎知識を知りたい・学びたい方は、以下の無料オンラインセミナーへもぜひ一度ご参加ください。

家族信託の専門家が動画で家族信託で問題解決できる内容や仕組みを解説しています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

これを読めば「家族信託」のことが丸わかり

全てがわかる1冊を無料プレゼント中!

ファトラサービスガイド
家族信託と不動産 パンフレット
ファトラサービスガイド 家族信託活用事例
  • 家族信託の専門家だからこそ作れる充実した内容のパンフレット
  • 実際にご利用いただいたお客様の事例
  • お客様からよくいただくご質問への回答
  • 老後のお金の不安チェックリスト

家族信託の仕組みや実際にご利用いただいた活用事例・よくあるご質問のほか、老後のお金の不安チェックリストなどをまとめたファミトラガイドブックを無料プレゼント中!

これを読めば「家族信託」のことが
丸わかり!全てがわかる1冊を
無料プレゼント中!

ファトラサービスガイド
家族信託と不動産 パンフレット
ファトラサービスガイド 家族信託活用事例
  • 専門家だからこそ作れる充実した内容
  • 実際にご利用いただいたお客様の事例
  • お客様からよくいただくご質問への回答
  • 老後のお金の不安チェックリスト

PDF形式なのでお手持ちのスマートフォンやパソコンで読める。「家族信託」をまとめたファミトラガイドブックです!

この記事を書いた人

ファミトラは「人生100年時代のコンシェルジュ」として、認知症による資産凍結だけでなく、家族の老後にまつわるさまざまな課題解決に伴走しています。介護や相続の他、遺言や任意後見・成年後見制度、生前贈与といったこれまでの対策に加わるかたちで、「家族信託」のサービスをあたりまえにすることを目指しています。

目次