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お客様のご状況に合わせて最適な方法を幅広くご提案・サポートいたしますので、お気軽にご相談ください。
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プログラミング言語Rubyの生みの親にしてエンジニアの憧れの存在であるまつもとゆきひろ(Matz)さんが、ホストとしてファミトラの開発部メンバーを迎え入れ、1on1セッションを通じて様々な話を紡ぐ本企画。
ファミトラは現在、より一層プロダクト開発に注力するフェーズにあります。そんな中で開発メンバーが抱える様々な悩みや考えをMatzさんに相談させていただきました。テーマはファミトラのサービスに関するものから、エンジニアという職業に至るものまで様々です。
当社の開発チームは日頃の会議や相談をGatherというバーチャルオフィスアプリ上で行っているため、今回はファミトラのバーチャルオフィス上に「Matzの部屋」を用意し、そこでアバターになったMatzさんに1on1を実施していただきました!(Matzさんのアバター、かなりご本人に似ていませんか?(笑))
記念すべき第1弾となる今回は、VPoEの仲座が、ファミトラのサービスの意義や価値、エンジニアの組織作りについてMatzさんにお話を伺っています。
全8回の連載企画となっているので、是非楽しんでご覧ください!
お疲れ様です!「Matzの部屋」第1弾は私、仲座が相手となります。どうぞよろしくお願いいたします。
今日は私も楽しみにしてきました。自分がアバターになって話すのって面白いですね(笑)こちらこそよろしくお願いします!
そうですよね(笑)僕も新鮮です!では早速ですが、用意してきた質問をさせていただこうと思います。
はい。よろしくお願いします。
以前も話した部分ではありますが、Matzさんは現在50代でいらっしゃって、親御さんもご高齢とのことなので、弊社のサービスのターゲット層と当てはまっているのかなと感じています。
ご縁あってこの「ファミトラ」というサービスを知っていただけたわけですが、ターゲット層に近い立場から、このサービスをどのようにご覧になっていますか?
そうですね。来年実家に帰ったときには、両親と将来や資産についての話をしようかということになっていて……その話が進む中で、実際にファミトラのサービスを使うことになる可能性は十分ありうると思っています。
なんですけど、最初にお話したときにも言ったことかもしれませんが、「家族信託」って自分がターゲット層だと認識していない、”自分ごと”として見ていないというケースが結構あると思うんですよ。
最近になってようやくあちこちで見るようになって、不動産屋さんなんかでも「家族信託を紹介します」と書いてあったりして、おもしろいなぁとは思ったんですけどね……。
なるほど。
例えば、私の父親は若干の資産はあるけれども、たくさん持っているというわけではないので、「家族信託のターゲットにはならないんじゃないか」という想いがあるわけですよね。
だからそこの認識を変えてもらうということが大事だと思います。ファミトラの話を聞いてみると、家族信託は実際にはそんなに資産がなくても有効なケースがあるということだったじゃないですか。
そうですね。家族信託は、基本的にはほとんどのご家庭で老後の財産を守るために活用できる仕組みで、本来はターゲットになる方って非常にたくさんいらっしゃるんですよね。
※ 家族信託の仕組みやメリットについてはこちらをご覧ください。
資産が何億で不動産もいっぱいあるという人がターゲットで僕は関係ない、というふうに捉えられがちなところの、受け取る人のマインドを変えるというのが大きな課題かなとは感じました。
私自身も両親の資産を把握していないので、「大して持ってないだろう」というふうにしか認識できていないんです。
なので、家族信託のような対策が自分の家族にあてはまるのか、自分に関係あることなのか、ないことなのか、ちゃんと知らなかったら判断つかないと思うんですね。
そのあたりをクリアにできるよう、ちょっと将来のことが心配になったときに、ファミトラを見たら「ああ、自分もターゲットなんだ」って思えるようなプレゼンテーションが必要かな、という気はしましたね。
なるほど、ありがとうございます。
まさに、我々のプロダクトの一番中心となる部分って、「家族信託の組成そのものを簡単にする」という点になるわけですけど、サービスの成長という意味ではその手前のところが大事ということですよね。
ターゲットの範囲が広いのは確かですが、その人々にちゃんと届けられているか、というところは確かに難しい部分があるなと思っています。
そうなんですよ。当然最初から家族信託を知っていて、「財産の継承・相続について専門家に相談したいです」というニーズがあるときに、そこには複雑な部分があるから、いろんなサービスを比較して検討しましょう、と進んでいく中でファミトラが出てくる、という流れなら非常にナチュラルですけど……。
実際にファミトラのような家族信託のサービスに出会えて嬉しいような人は、今までは家族信託を知らず届いていなかったんだけど、「実はあなたにも役に立つんですよ」っていう、この「実は」のレイヤーの人たちじゃないかなって気がするんですよね。
じゃあ、その人たちにリーチする方法って何があるのか? という部分が大きな課題のように思いましたね。
なるほど、ありがとうございます。
ちなみに、実は、先日お話していたタイミングから新しくプロダクトを1つ出したんですね。その話を全然できていなかったと思うので、一回ここでご紹介してもよろしいですか?
はい、もちろんです。
ありがとうございます。最近まさに認知度の向上に寄与できるのではないかと思ってこのような「親の老後のお金 リスク診断」というツールのプロトタイプを作成しているところなんですね。
このツールのターゲットは50代〜60代で、例えば「久しぶりに実家に帰ってみたら親の物忘れが激しくなっていた」といった具合に、親の老後に不安を覚え始めた方が対象になっています。
こういう方は実はかなり多くいらっしゃるんじゃないかと考えています。
そういう状況になったら「介護」や「認知症」といったキーワードで検索すると思うんですが、その中で興味を持ってくれてアクセスしてくださった方に対して、まずは「どんな不安・気になりごとがありますか?」という質問を投げかけ、キーワードを選んでもらうと、そのキーワードに関連した一般的に知られているリスクをいくつか紹介するところからスタートできる仕組みになっています。
しかし、それだけではユーザーの親御さんやご家族の具体的なリスクというのはわからないので、より個別具体的な診断をするために、続けて一問一答形式の質問に答えていただくようになっています。
いいですね〜
今デモでいろいろ質問に答えてみましたけれど、その回答を基に最終的な結果として「あなたの家族ではこんなリスクが潜んでいますよ」ということを紹介して、その上で家族信託を含むいくつかの仕組みを比較して「どんな対策を取ればそのリスクを回避できるのか」を提案する というプロダクトになっています。
このプロダクトは、そもそも家族信託を知らない人たちに、まずは親の老後のリスクを知ってもらうために提供しています。
50代のMatzさんは、このツールのターゲットに当てはまる部分も多いかと思いますが、ご覧になってみてどんな感想を持たれましたか?
非常にわかりやすくていいんじゃないですかね!
ありがとうございます!
漠然と「老後に何が起こるかわからない」という不安を抱えている方に使っていただいて、対策としての家族信託を知っていただく、そして、ファミトラに興味を持っていただけたら、弊社の家族信託コンサルタントとの相談を予約いただく、という導線です。
こういった取り組みを続けていくことによって、認知度の向上や、お客様に「私も対象なんだ、家族信託を使えるんだ」と思っていただくことへ寄与できたら、と思っているんですが、いかがでしょうか?
そう思っていただけるんじゃないかと思いますね。
まさに、家族信託の認知度向上という課題に対する一つのソリューションになっているのではないかと思います!
ありがとうございます!
まだまだこのツール自体は改善を重ねて行かないといけない時期ではあるんですが、そういったお言葉をいただいて少し自信になりました。
続けての質問なんですが、少しテーマを変えて「エンジニアのチームを作る」という観点でお話したいと思います。
はい。
私は今VPoEという立場なんですが、採用やチームビルディングにも携わる中で、いろいろ考えたり頭を悩ませることがあるんですね。
そこで今日は是非エンジニアの大先輩であるMatzさんにお聞きしたいなということがいくつかあります。
一つ目ですが、Matzさんが「一緒に仕事をしたい」と思うエンジニアやチームってどんなチームですか?
えーっとね、理想を言うとみんなが勝手に動いてくれるようなチームですね。
「これこれをやってください」といってやっと動くのではなくて、それぞれが「これをやります、やりたいです!」「じゃあどうぞ」という感じで動くチームがいいなと思いますね。
他にもいっぱいありますけど(笑)
確かに、そういうのは一つの理想かなと僕も思います。
ただ、そういうスタイルが染み付いているチームって、逆に合意が取れてないまま走っちゃって、あとから「思ってたのと違うじゃん」となってしまうケースもあるかなと思うんですが、そのようなときにどう対処するのが良いのでしょうか?
プロダクトを作るときによく言われることではありますが、結局ビジョンというものがきちんとあって、「会社として、チームとしてこれを目指す」というのが明確であればいいのかなと思います。
それがあれば、例えばメンバークラスからの意見であっても「それはビジョンにあっているのか」という判断ができて、ズレというのを回避できると思うんですね。
とはいえ、走り始める前に一度「こういう方向で行きます」っていうのを共有する機会は設けるべきだとは思いますけどね。その上で走り始めて、都度レビューを入れていくことで方向性の同期や修正を図るサイクルというのは当然あるべきかなとは思います。
よくシニア、ジュニアの関係であるように「ここまでできました」「じゃあ次はこれをしましょう」という、べったりお世話するような関係ではなくて、「この目標を達成するためには、デザインはこうあるべきだと思います」とジュニアが提案したら、シニアが「わかりました。どうぞやってください。」という感じで任せて、次にレビューのタイミングで必要があればそこで修正をかけるというように、同期ポイント以外ではそれぞれが自走する、というスタイルがいいんじゃないかなと思いますね。
なるほど!間違いないですね。ありがとうございます。
今おっしゃったようなことができるエンジニアが揃っているのがいいチームということかなと思いました。
ちなみに、そのようなチームを作るにあたって、実際の業務の進め方以外の部分でのおすすめの取り組みってありますか?
一つは、ちゃんとレビューするタイミングがあるので、そこで基準を満たしていなかったりしたら、きちんとそれを説明してあげたり、ペアプロをするなどで適宜助けてあげる仕組みを用意することですね。
これがあれば、シニアとジュニア関係なく、このような仕事の進め方をするのって難しくないと思うんですよ。
唯一気になる点は、チームとして時間の管理をどうしていくかという部分なんですけど、たとえば受託開発に近いような進め方だと、不確定要素はつきものだけれど〆切が確定しているので、どうしてもやりづらい部分がありますよね。
一方で、自社でプロダクトを作っている場合は、実は時間軸ってそこまでタイトじゃないんですよ。だって次のデプロイに間に合わなかったものがあれば、延期するということができるので(笑)
たしかに。
そういう柔軟性のある時間の管理をしていると、不確定要素にも対応しやすくなって、いいものを創れるいいチームに近づいていくと思いますね。
ありがとうございます。納得です。
それでは最後の質問になります。
ここまではエンジニア組織の話をしてきましたが、会社にはやはりエンジニア以外の組織もあるじゃないですか。
その中でエンジニアが生産性をちゃんと発揮したり、気持ち良く仕事をできるようにするために、会社としてどんな環境を用意するのがよいか、という点について伺いたいです。
「ビジョンによるベクトル」というのはプロダクトレベルで語られることが多いんですけど、本当は全社レベルで存在してほしいんですよね。
間違いないですね。
全社的に何をするというゴールがあると、社内での利益相反というのは起きにくくなりますよね。
それぞれの部署が局所的にゴールを目指していくと、たとえば営業チームが数字を上げるために、あるいは経営者が短期目標を達成するために開発チームに無理を言ってくるということが起きがちなんですけど、全社的なゴールがあるとベクトルを揃えやすくなるので、「本当はこれやりたいんだけど、他の部署に邪魔された」みたいな気持ちを持たなくなると思うんですよ。
そういうことをしていけば、開発もスムーズに進めやすくなるんじゃないかなと思っています。
たしかにそうですね。その点でいうと、弊社の代表の三橋はエンジニア出身で、プロダクトへの理解は大いにある人間なので、経営の方向性とプロダクトの方向性は基本的には一致しているんじゃないかなと思っています。
※ 弊社代表 三橋のプロフィールはこちらをご覧ください。
そういう意味では、Matzさんがおっしゃった良い組織と近いんじゃないかなと、手前味噌ながら思っています(笑)
本当はもっとゆっくりお話したかったんですが、お時間になってしまったので今回はここまでとさせてください。
Matzさん、今回は貴重なお話を本当にありがとうございました!伺ったお話を参考に、さらに良いプロダクト、良い組織を作っていきたいなと思っています!
はい、こちらこそありがとうございました!
Matzさん、貴重なお話をありがとうございました!
次回第2弾では、プロダクト開発部長の高山が、業界の将来性や同世代だからこその話題で語り尽くします!
お楽しみに……!
まつもとゆきひろ
Rubyアソシエーション理事長
スクリプト言語Rubyの生みの親であり、一般財団法人Rubyアソシエーション理事長、株式会社ZOZO技術顧問、Linkers株式会社技術顧問などを務めている。オープンソース、エンジニアのコミュニティ形成などを通じて、国内外のエンジニアの能力向上やモチベーションアップなどに貢献している。自称「世界的にもっとも有名な日本人のプログラマ」。日本OSS貢献者賞初代受賞者。
仲座太壱(なかざたいち)
プロダクト開発部 VPoE
創業間もない2020年2月に第1号エンジニアとして株式会社ファミトラにjoin。
初期プロダクトの設計・実装を担いながらチームビルディングも行う。
2021年よりVPoEとして採用等エンジニア組織の構築をリードしている。
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