ファミトラ「家族の俳句」2023年 3月 その2

ファミトラ 家族の俳句 2023年3月

俳人の神野紗希先生とのコラボレーション第5弾は、別れをテーマに神野先生に一句詠んでいただきました。

俳句の解説

<俳句> ふるさとを去る朝 マーガレット白

3月は、別れの季節です。年度終わりなので、学校の卒業や職場の異動など、生活にもさまざまな変化が訪れます。

私も、約20年前の春、地元・愛媛の高校を卒業し、大学進学のために上京しました。ふるさとを去る朝、生まれ育った実家を背景に、スーツ姿で母と撮った写真が残っています。その足もとには、マーガレットによく似た白い小菊が、にぎやかに咲いていました。

ちなみに、白いマーガレットの花言葉は「誠実」「信頼」など。ふるさとへの慕わしさ、これから始まる未来への期待感を、マーガレットの花の記憶に託しました。今も、東京の自宅の玄関先に揺れるマーガレットの白い花びらを眺めていると、家族と離れるあの朝の不安や寂しさが、ほのかに甦ります。

4月の一句もおたのしみに!

俳句の作者

この俳句の先生

神野 紗希
(こうの さき)
俳人

1983年、愛媛県松山市生。俳人。高校時代、俳句甲子園をきっかけに俳句を始める。NHK「俳句王国」番組司会、NHK全国俳句大会選者などを務めた。2018年、『日めくり子規・漱石』(愛媛新聞社)にて第34回愛媛出版文化賞大賞。2019年、第11回桂信子賞。句集に『星の地図』(マルコボ.com)『光まみれの蜂』(角川書店)『すみれそよぐ』(朔出版)、著書に『女の俳句』(ふらんす堂)『もう泣かない電気毛布は裏切らない』(日本経済新聞出版社)『俳句部、はじめました』(岩波ジュニアスタートブックス)他。現代俳句協会副幹事長。聖心女子大学・立教大学講師。

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