ファミトラ「家族の俳句」2023年 5月

家族の俳句 5月

俳人の神野紗希先生とのコラボレーション第7弾は、「母の日」をテーマに一句詠んでいただきました。

俳句の解説

<俳句> 母の日や チーズケーキは 月の色

毎年5月の第2日曜は「母の日」です。母へカーネーションやプレゼントを贈り、日ごろの感謝や敬意を伝える日です。

かつて、アメリカ・フィラデルフィアに住む少女が、亡くなった母の祭壇にカーネーションを飾りました。生きている間に、ありがとうと伝えたかった……、そんな思いが広がり「母の日」ができたそうです。母のいる時間は永遠ではありません。だからこそ、今このひとときも大切にしたいものです。

以前、岩手の北上を訪れた縁で、地元の人が送ってくださったロシア料理店のチーズケーキ。とてもおいしかったので、愛媛の母にも味わってもらいたくて、今年の母の日はそのチーズケーキを取り寄せました。チーズケーキの黄色って、やさしくて淡くて、何かに似ているのだよなあと思っていたら、そうそう、お月さまの色。

まんまるの月、もといチーズケーキを切り分けて、母の時間、家族の時間が少しでも満ちてゆけば、と願います。

6月の一句もおたのしみに!

この俳句の先生

神野 紗希
(こうの さき)
俳人

1983年、愛媛県松山市生。俳人。高校時代、俳句甲子園をきっかけに俳句を始める。NHK「俳句王国」番組司会、NHK全国俳句大会選者などを務めた。2018年、『日めくり子規・漱石』(愛媛新聞社)にて第34回愛媛出版文化賞大賞。2019年、第11回桂信子賞。句集に『星の地図』(マルコボ.com)『光まみれの蜂』(角川書店)『すみれそよぐ』(朔出版)、著書に『女の俳句』(ふらんす堂)『もう泣かない電気毛布は裏切らない』(日本経済新聞出版社)『俳句部、はじめました』(岩波ジュニアスタートブックス)他。現代俳句協会副幹事長。聖心女子大学・立教大学講師。

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