認知症の初期症状は?発症のサインをチェックして早期の財産管理対策を

認知症 初期症状
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認知症は初期段階で対処できると、症状を改善できたり症状の進行を遅らせたりできます。
初期症状を知っていると、初期段階での対処がしやすくなるのです。

そこで、本記事では認知症の初期症状について解説します。
認知症を発症したサインや対策方法についても解説しているので、ぜひチェックして認知症に備えてみてください。

目次

認知症の代表的な4つの初期症状と行動への現れ方

介助

認知症の代表的な初期症状として挙げられるのは、以下の4つです。

  • 物忘れをしやすくなる
  • 理解力・判断力が低下する
  • 集中力が低下する
  • 人柄や性格が変わる

それぞれの症状について、行動への具体的な現れ方も含めて解説します。

①物忘れをしやすくなる

1つ目は物忘れをしやすくなることです。
物忘れは認知症の代表的な症状であるため、認知症といえば「物忘れが激しい」と理解している方もいるでしょう。

物忘れが具体的に現れるのは、以下のような行動をしたときです。

  • 何度も同じことをする/言う
  • 物を探すことが増える
  • 財布や通帳などを奪われたと勘違いする
  • 料理の味付けがわからなくなる

これらの症状が出たら、認知症の初期症状が出始めたと考えられるでしょう。

②理解力・判断力が低下する

2つ目は理解力・判断力が低下することです。

理解力・判断力の低下は、具体的には以下のような行動に現れます。

  • 買い物レジでの計算ができない
  • 会話についていけない
  • 話のつじつまが合わない
  • テレビや新聞の内容がわからない

このような行動が現れた場合も、認知症の初期症状が出たと考えられるでしょう。

③集中力が低下する

3つ目は集中力が低下することです。

集中力の低下は、以下のような行動に現れます。

  • 趣味の工芸や料理を途中でやめてしまう
  • 読書家の人が読書をしなくなる
  • テレビ番組の内容についていけなくなる

このような行動が現れた場合、認知症により集中力が低下していると考えられるでしょう。

④人柄や性格が変わる

4つ目は人柄や性格が変わることです。

人柄や性格が変わると、以下のような行動が現れます。

  • 怒りっぽくなる
  • 頑固になる
  • 人のせいにする
  • 「様子がおかしい」と周囲からいわれる

このように、人柄や性格が変わったような行動が現れた場合も、認知症の初期症状が出たと考えることができるでしょう。

認知症に見られるその他の初期症状

お年寄りと赤ちゃん

先ほど紹介した代表的な初期症状の他にも、以下のような初期症状が見られることもあります。

  • 歩き方が変化する
  • 思い込みが激しくなる
  • 頭痛やめまいが生じる

これらの初期症状について、以下で解説します。

歩き方が変化する

認知症に見られる初期症状の1つに、歩き方の変化が挙げられます。

歩き方の変化は認知症の1つである「特発性正常圧水頭症」によく見られる初期症状です。歩幅が狭くなったり、すり足になったりすることがあります。

認知症は発症してしまうと治りづらいタイプのものが多いですが、「特発性正常圧水頭症」を原因とするものは早期発見をすることで治る可能性があるのです。

そのため、歩き方が変化し、違和感を抱いたらすぐに医師の診断を受けることが大切です。

思い込みが激しくなる

認知症を発症すると、思い込みが激しくなることもあります。

いきなり思い込みが激しくなることは多くありません。認知症の発症により不安や苦しみなどを感じるようになることで、次第に思い込みが激しくなるケースが多くあるのです。

悪化すると、妄想や幻聴などの症状が出てしまうこともあるため、早めに対応することが必要です。

頭痛やめまいが生じる

頭痛やめまいが生じることも、認知症の初期症状の1つです。
脳の血流が低下することで、脳の細胞に十分な栄養が行きわたらず、頭痛やめまいが生じてしまいます。

認知症以外にも、生活習慣病などによりめまいが生じることもありますが、生活習慣病は認知症を促進しやすいため、いずれにせよ早めに対応することが大切です。

認知症は急速に進行することも…|一気に進む原因とは?

介助

認知症は、あることをきっかけに急速に進行してしまうことがあります。

認知症が一気に進む原因として挙げられるのは、主に以下の3つです。

  • 大きなストレス
  • 脳への刺激の不足
  • 他の病気の併発

具体的に、どのようなことが起きると認知症が急速に進行しやすくなるのかを解説します。

大きなストレス

大きなストレスを受けることで、認知症が急速に進行することがあります。

ストレスを受ける要因の1つが環境の変化です。
引っ越しや入院などで環境が変化すると、大きなストレスを受けやすくなります。

他にも、怪我をして入院することになってしまったり介護を受けるようになって外に出なくなってしまったりするなど、行動制限を受けることでもストレスを受けやすくなります。

その他にも、ミスや間違いをした時に過度に責められたり叱られたりすることも、ストレスを受ける原因になるでしょう。

脳への刺激の不足

脳への刺激不足も、認知症が急速に進行する原因の1つです。

脳に刺激を与える行動として、身体を動かしたり身の回りの管理をしたりすることが挙げられます。しかし、認知症になるとそういったことをする機会が減ります。
他にも、料理や掃除をしなくなったりおむつを付け始めたりすることでも、脳への刺激が減っていきます。

このように、脳への刺激が減っていくと脳の働きが低下するため、認知症が急速に進行しやすくなるのです。

他の病気の併発

他の病気の併発も、認知症が急速に進行する原因になります。

特に、以下の4つの病気は認知症が進行しやすくなる病気として知られています。

  • 高血圧
  • 糖尿病
  • パーキンソン病
  • 歯周病

中でも、生活習慣病である高血圧・糖尿病・歯周病は、病気だと診断されなくても予備軍であると指摘された人もいるでしょう。

このような場合でも、認知症が進行しやすくなるため、注意してください。

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認知症の進行を遅らせるには?

会話

認知症は基本的に完治することはありません。しかし、以下の3つのような生活を送ることで、進行を遅らせることができます。

  • 健康的な食生活を送る
  • 適度な運動をする
  • 考える機会を作る/人との繋がりを作る

それぞれどのように生活すれば良いのかを解説します。

健康的な食生活を送る

1つ目は健康的な食生活を送ることです。

先ほども触れたように、糖尿病の方は認知症が進行しやすくなるため、低糖質の健康的な食事を心掛ける必要があります。
また、塩分の高い食生活を送ると、脳血管性認知症を発症しやすいため、低塩分の食事をとることも大切です。

このように、健康的な食生活を送ることで、認知症の進行を遅らせることができます。

適度な運動をする

2つ目は過度な運動をすることです。

運動をすることで、脳が刺激され認知症の進行が遅くなるだけでなく、高血圧や糖尿病の予防にも繋がります。
運動は3日坊主になりやすいため、いきなり激しい運動をするのではなく、軽い運動を習慣化するところから始めてみてください。

また、運動機能向上が目的ではないため、運動が習慣化できてからも怪我をしない程度の軽めの運動で十分です。

考える機会を作る/人との繋がりを作る

3つ目は考える機会を作る/人との繋がりを作ることです。

認知症の進行を遅らせるためには、脳を刺激して活性化させる必要があります。
そのため、考える機会を作ったり、人との繋がりを作ったりすることが大切です。

考える機会を作るには、料理をしたり手を使った趣味をしたりすることが挙げられます。
また、人と会話をするときは無意識に様々なことを考えるため、脳が刺激されるのです。

ぜひ、考える機会や人との繋がりを作って、脳を刺激し、認知症の進行を遅らせましょう。

認知症の早期発見には初期症状チェックリストを活用しよう

チェックリスト

認知症を早期発見するには、初期症状チェックリストを活用することが大切です。

公的機関や医療機関、自治体は認知症の初期症状チェックリストを公開している場合があります。

例えば、東京都福祉保健局では以下のようなチェックリストを公開しています。

このようなチェックリストを利用することで、医師の判断を受ける前に、認知症を発症しているのかどうかの判断がしやすくなるでしょう。

東京都福祉保健局|自分でできる認知症の気づきチェックリストには「5分前に聞いた話を思い出せないことがありますか」「言おうとしている言葉が、すぐに出てこないことがありますか」などの質問が書かれているため、ぜひ回答してみてください。

認知症の初期症状チェックリストについては、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてお読みください。

認知症を早期発見するメリット

教える

認知症を早期発見するメリットには、主に以下の2つが挙げられます。

  • 早期治療による改善や進行の抑制が期待できるケースがある
  • 症状が軽いうちに今後の生活に備えられる

それぞれのメリットについて、以下で解説します。

早期治療による改善や進行の抑制が期待できるケースがある

記事内でも触れた「特発性正常圧水頭症」などを原因とする一部の認知症は、認知症の初期段階で発見できると治る可能性もあります。

また、治らない場合でも進行を遅らせることで、元気な日常生活を少しでも長く送ることが可能です。

そのため、認知症の初期症状とみられる行動を発見したときは、すぐに対処することが大切です。

症状が軽いうちに今後の生活に備えられる

具体的には、以下の2つのようなメリットです。

  • 家族と本人で話し合って治療や介護の方針を決められる
  • 資産が凍結される前に管理や相続の対策ができる

それぞれのメリットについて、以下で解説します。

家族と本人で話し合って治療や介護の方針を決められる

認知症の症状が進行してしまうと、治療や介護の方針は家族で決めるしかありません。
しかし、認知症を早期発見できると、まだ初期症状の段階であるため、ある程度の会話は成立します。

そのため、今後の治療や介護の方針について、本人も交えて話し合うことが可能です。

家族に勝手に方針を決められるより、本人も一緒になって決めるほうが家族も本人も安心できるため、早期発見が望ましいのです。

資産が凍結される前に管理や相続の対策ができる

認知症を発症し、症状が悪化すると資産が凍結された状態になります。

資産凍結状態になると、銀行口座からの引き出しや契約行為ができなくなるため、資産管理や相続対策ができなくなるのです。

しかし、認知症の初期段階で、判断能力が少ししか低下していない場合は、家族信託などの柔軟な資産管理方法を利用できる可能性があります。

家族信託について詳しく知りたい方は、以下の記事でも解説しているので、ぜひチェックしてみてください。

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認知症の初期症状に関するよくある質問

男性

最後に、認知症の初期症状に関する、2つのよくある質問を紹介します。

  • 認知症患者が家族信託を契約できる意思能力の判定基準はありますか?
  • 家族信託を利用すると認知症患者の家族にどのようなメリットがありますか?
認知症患者が家族信託を契約できる意思能力の判定基準はありますか?

認知症患者が家族信託を契約できる意思能力の判定基準は、公証人が認めるかどうかによることが多いです。

家族信託の契約書の作成は一般的には公正証書で行われ、公正証書を作成する公証人が本人が契約できる状態であるのかを判断します。

医師から認知症の診断を受けていても、まだ症状が軽く意思能力がはっきりしていると認められれば契約が可能です。一方、医師から認知症の診断を受けていなくても、意思能力に疑問がある場合は契約が認められないこともあります。

認知症の初期段階で家族信託を契約すれば、症状が進行していないため、家族信託を契約できる可能性が高いといえるでしょう。

家族信託を利用すると認知症患者の家族にどのようなメリットがありますか?

家族信託を利用すると、認知症患者の家族が認知症患者の財産を柔軟に活用できるメリットがあります。

認知症が進行してしまうと、認知症患者の財産を利用するには自由度の低い法定後見制度を利用しなければならず、資産運用や相続税対策などができません。

一方、家族信託を契約すれば、家族が資産運用や相続税対策なども含めて、幅広く財産管理ができるようになります。

なお、柔軟な財産管理をするためには、家族信託の契約内容にあらかじめ記しておくことが必要です。そのため、契約書の作成は慎重に行うことをおすすめします。

まとめ:認知症の初期症状を知って早期の発見、対策に繋げよう

お年寄り

認知症の初期症状には様々なパターンがあるため、どのようなパターンがあるのか目に通しておくことが大切です。
初期症状を知って早期発見に繋げることで、認知症の改善や進行を遅らせることができる他、資産管理対策もできます。

認知症が進行すると資産凍結の恐れがあるため、認知症を発症した時点、もしくは認知症の疑いがあるとわかった時点で、すぐに家族信託の相談をすることがおすすめです。

ファミトラでは、家族信託の専門家である家族信託コーディネーターが、家族信託の組成をお手伝いします。
電話での無料相談も受け付けておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

小牟田尚子 小牟田尚子 家族信託コーディネーター®

化粧品メーカーにて代理店営業、CS、チーフを担当。
教育福祉系ベンチャーにて社長室広報、マネージャーとして障害者就労移行支援事業、発達障がい児の学習塾の開発、教育福祉の関係機関連携に従事。
その後、独立し、5年間美容サロン経営に従事、埼玉県にて3店舗を展開。
7年間母親と二人で重度認知症の祖母を自宅介護した経験と、障害者福祉、発達障がい児の教育事業の経験から、 様々な制度の比較をお手伝いし、ご家族の安心な老後を支える家族信託コーディネーターとして邁進。

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