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グループホームは、認知症患者が介護サービスを受けられる施設として人気を集めています。
本記事では、グループホームがどのような施設なのかを解説します。
具体的なサービスの特徴やメリット・デメリットについて解説します。ぜひ、最後までお読みください。
グループホームとは、認知症の利用者が少人数で共同生活を送る施設です。具体的な施設基準や基本設備、入居条件について以下で詳しく見ていきましょう。
介護施設には、グループホームの他にも特別養護老人ホームや介護老人保健施設など様々な種類があります。どの介護施設に入るべきか迷っている方は以下の記事もあわせてお読みください。
グループホームには、利用者・設備・人員配置・運営について、主に以下のような施設基準が設けられています。
項目 | 内容 |
---|---|
利用者 | 1事業所あたり1〜2ユニット ※地域の事情で効率的な運営に必要と認められる場合は3ユニットも可能 1ユニットの定員は5〜9人 |
設備 | 住宅地などに立地 4.5畳(7.43㎡)以上、原則個室 |
人員配置 | 介護従業者(日中):利用者3人につき1人 介護従業者(夜間):1ユニットにつき1人 |
参考:厚生労働省|認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム)
5〜27人の入居者が1〜3つのユニットに分かれて、共同生活をします。
原則として個室で生活するため、共同生活の中でもプライベートな空間や時間を確保できます。
昼夜問わず介護スタッフが常駐しているため、緊急の場合にもすぐに対応してもらえる点も特徴の1つです。
グループホームには、基本的に以下の設備が設けられています。
参考:厚生労働省|認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム)
その他、レクリエーションや健康チェックができる部屋など、健康的に暮らすための設備も設けられる場合が多くあります。
グループホームの入居条件は、次のとおりです。
特に「同一地域内の住民票があること」については、住民票が置かれている期間を定めている自治体もあるため、事前に確認するようにしてください。
グループホームで受けられる主なサービスは、次の4つです。
それぞれのサービス内容について以下で解説します。
日常の生活支援として、食事や掃除、洗濯、排泄のサポートなどのサービスを受けられます。
ただし、グループホームには、認知症を患っている人のうち比較的健康な人が入居するため、身の回りのことはできる限り自分で行います。
身の回りのことを行うことは認知症の進行を遅くするため、積極的に身の回りのことをするような環境づくりをしている施設もあるほどです。
しかし、認知症を患っていると身の回りの全てのことができるわけではないため、必要に応じて生活支援のサービスが提供されます。
認知症ケアとして、施設内でのレクリエーションやリハビリ、イベントなどが行われています。
脳に刺激を与えることで認知症の進行を遅らせることが目的です。
さらに、施設内だけでなく、地域のイベントに参加したり地域のイベントの開催準備を手伝ったりすることで、地域の人との繋がりを作れる施設もあります。
多様な人との接点を作ることで、施設内だけで生活するよりも楽しく生活することができるでしょう。
グループホームでは医師や看護師の配置が義務付けられていないため、一般的には医療・看護のサービスが提供されません。
しかし、近年はサービスの質の向上に伴い、医師や看護師を配置して入居者の健康管理を行う施設が増えてきています。
医師や看護師が配置されていれば、容態が悪化した場合などに迅速に対応可能です。
医師や看護師が配置されていない場合は、医療機関への入院などの対応が取られます。
医療・看護同様、看取りに対応した施設は多くありません。
しかし、介護保険法改正によりグループホームで「看取り介護加算」が受け取れるようになったため、看取りにも対応する施設が増えています。
グループホームが看取りに対応していれば、慣れ親しんだ場所・地域で最期を迎えることができるでしょう。
グループホームへの入居で必要な費用の内訳は以下のとおりです。
それぞれの費用の目安について、以下で解説します。
また、介護費用全般について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてお読みください。
グループホームへの入居に必要な初期費用の目安は10万円〜100万円程度です。
初期費用は入居一時金(賃貸物件における敷金にあたる費用)や保証金と呼ばれ、退去するときに全額または一部が返金されます。
しかし、初期費用は施設によって大きく異なるのが現状であり、数百万円必要な場合もあれば、初期費用が0円の施設もあります。
初期費用だけに目を向けず、返金される金額の割合や月額費用もあわせて確認した上で入居する施設を検討すると良いでしょう。
月額費用の目安は、10〜30万円です。
月額費用には次のような費用が含まれます。
これらのうち日常生活に使うお金は介護保険の適用外であるため、全額自己負担となることに注意してください。
月額費用の中でも、介護サービス費は次の表のとおり、要支援・要介護度によって目安の料金が決まっています。
なお、表は介護保険が1割負担の場合の目安を表しています。
要支援・要介護度 | 1ユニットの施設の月額料金 | 1ユニット以上の月額料金 |
---|---|---|
要支援2 | 22,800円 | 22,440円 |
要介護1 | 22,920円 | 22,560円 |
要介護2 | 24,000円 | 23,610円 |
要介護3 | 24,690円 | 24,330円 |
要介護4 | 25,200円 | 24,810円 |
要介護5 | 25,740円 | 25,320円 |
参考:厚生労働省「介護報酬の算定構造 介護サービス」(2021年4月)
他に、以下のように専門的なサービスなどによって追加でかかる費用もあります。
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グループホームに入居する主なメリットは、次の3つです。
それぞれの点について以下で解説します。
グループホームには認知症ケアに精通したスタッフが常駐しています。
そのため、認知症の症状に応じた適切なケアが受けられるのです。
適切な認知症ケアを受けることができれば、認知症の進行を遅らせることができ、健康に暮らせる期間を長くできます。
グループホームは、施設と同じ市区町村に住民票がある人しか入居できません。
そのため、グループホームに入居すると、住民票がある慣れ親しんだ地域で生活できます。
住む地域が変わらないため、環境の変化によるストレスを受けづらく、穏やかに暮らせるでしょう。
グループホームは5〜9人から構成される「ユニット」で共同生活を行います。
少人数制であるほか、介護スタッフもほとんど同じ人が担当してくれるため、アットホームな雰囲気のもとで共同生活ができます。
顔馴染みになれば会話も弾みやすくなるため、楽しい気持ちを持って生活できるでしょう。
グループホームに入居する主なデメリットや注意点は、次の4つです。
それぞれの点について以下で解説します。
住民票のある市区町村の施設に加入することが条件であるため、地域の外に入りたいグループホームがある場合、その施設は利用できません。
地域によってはサービスの質が高い施設が少ない場合もあります。そのため、サービス内容をよく調べた上で入居先を選ぶと良いでしょう。
グループホームのほとんどは、医療・看護スタッフが配置されていません。
そのため、医療ケアは充実しておらず、専門的な診療や治療を行う場合は医療機関に移らなければいけないことも多くあります。
もし充実した医療ケアも望みたい場合は、医療・看護スタッフが常駐している施設を探してみてください。
グループホームは原則として最大18人までしか入居できません。
また、長寿化に伴い認知症を患う人が増えるにつれ、グループホームの需要も高まっています。そのため、定員が埋まってしまっている施設が多くあります。
地域のグループホームに空きがなかったり、空きがあってもサービスの質が高くない施設しか空いていなかったりする場合があるでしょう。
グループホームに入居したい場合は、早めに申し込みすることをおすすめします。
グループホームの入居条件は「要支援2または要介護1以上の認知症患者」とされています。
しかし、自立して生活することが前提の施設であるため、要介護度が上がり自立して生活ができなくなると、退去が必要になる場合があります。
認知症ケアにより、認知症の進行を遅くするためのサービスが提供されますが、認知症の症状が改善することは多くありません。
そのため、認知症が進行してしまい要介護度が上がると、退去が必要になる場合がある点に注意してください。
良いグループホームを選ぶ際、次の3つのポイントに注目すると良いでしょう。
サービス内容と雰囲気、設備の充実度や清潔さの3点が整っていれば、ストレスなく生活できます。
グループホームでは入居者が快適に暮らせることが大切になるため、以上の3点をよく調べた上でどの施設にするかを検討してみてください。
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グループホームに関するよくある質問を4つ紹介します。
グループホームへの入居を検討している方は、それぞれの質問に対する回答を参考にしてみてください。
グループホームと有料老人ホームには、以下の表のような違いがあります。
項目 | グループホーム | 有料老人ホーム |
---|---|---|
費用 | 0円から数百万円 | 0円から数千万円、1億円 |
入居者 | 65歳以上で認知症を患っている人の中でも、自立した生活ができる人 | 認知症の有無、介護度、年齢層は問わない |
施設 | アットホームな雰囲気 | 豪華な設備 |
規模 | 1ユニット5〜9人で、原則2ユニットまで | 50〜100人規模が一般的 |
グループホームに入居するには、施設に対して入居申込書を提出してください。
その後、面談や必要な書類の提出を行い、入居できると判断されたら入居が可能になります。
入居の際には重要事項説明書を元にした説明が行われるため、よく聞くようにしてください。
外出や外泊は、1人での外出が認められる施設、外出には付き添いが必要になる施設、さらには旅行や帰省などの外泊が認められる施設などのように、施設によって認められる範囲が異なります。
また、入居者の症状も外出・外泊が認められる範囲に影響します。
ただし、グループホームで外出・外泊が自由に認められる施設は少ないため、外出・外泊を希望する場合は事前に確認するようにしてください。
グループホームは基本的に入居期限が設けられていません。
しかし、施設によっては期限が設けられている場合や要介護度が上がると退去が必要になる場合があります。
施設によって対応が異なるため、入居する前に確認しておくと良いでしょう。
グループホームは、認知症の方のための生活の場です。最大9人のまとまりで生活するため、アットホームな雰囲気の中、穏やかに生活できるメリットがあります。
しかし、1つの施設における定員が少ないため、空きがないケースもあります。早めに探すことがおすすめです。
また、グループホームの入居を検討している方は、家族信託の利用もあわせて検討してみてください。
認知症になると財産が凍結されてしまい、預金口座からの引き出しをはじめ、認知症に罹患した人の財産に関する行為の多くが制限されてしまいます。
しかし、事前に家族信託を契約しておけば認知症に罹患した後も、問題なく預金口座の引き出しができます。
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