低所得者でも入居が可能な老人ホームは?費用例や施設選びの注意点

低所得者でも入居が可能な老人ホームは?
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老人ホームに対して「入居費用が高い」というイメージを持っているのではないでしょうか。所得が低いと、将来的に入居可能な老人ホームがあるのか不安になってしまうこともあるでしょう。

本記事では、低所得者でも入居可能な老人ホームについて解説します。費用例や施設選びの注意点についても解説します。ぜひ、最後までお読みください。

この記事の監修者

村上 菜子
(むらかみ なこ)
家族信託コーディネーター

社会貢献度の高い領域に携わりたいという思いと、認知症の祖母の自宅介護をサポートしてきた経験から、ファミトラの事業に共感し、入社。

ご家族のお悩みに寄り添い、安心して過ごしていただける最初の一歩のお手伝いができればと、家族信託コーディネーターとして日々邁進。

目次

低所得者も老人ホームに入居が可能

介助士

低所得者でも老人ホームに入居できます。多くの老人ホームを見ると「費用が高すぎるため、入居できない」と考えてしまうかもしれません。

しかし、探してみると思ったよりも費用が安く、低所得者の方でも入居できる施設が見つかります。

例えば、特別養護老人ホームや軽費老人ホーム、介護老人保健施設などの公的機関が運営している施設は一般的な老人ホームに比べると費用を抑えられます。
公的機関が運営していると、市区町村民税が非課税となっている世帯では費用の軽減措置を受けられるためです。

また、立地の悪い施設やかなりの築年数が経過している施設は費用が安くなっている場合があります。

加えて、老人ホームによっては低所得者や生活保護受給者向けのプランを用意している場合もあるため、よく確認してみると良いでしょう。

親をどの介護施設に入れたら良いのか迷っている方は、以下の記事も参考にしてみてください。

低所得者が入れる公的な老人ホーム①特別養護老人ホーム(特養)

介助士

特別養護老人ホーム(特養)は、低所得者でも入居できます。
ここでは、特養がどのような施設なのか、特養の入居費用、特養に入居するメリット・デメリットについて解説します。

特別養護老人ホーム(特養)とは

特別養護老人ホーム(特養)は、自宅で介護を受けている場合も含め、自宅で生活することが難しい人が入居する施設です。
原則として要介護3以上であることが入居条件ですが、特例が適用されると要介護1〜2の人も入居できます。

特養では日常生活の支援や介護サービスの提供が受けられる他、レクリエーションやイベントなども実施します。

特養について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

特別養護老人ホーム(特養)の入居に必要な費用は月額約8万円~

特養の入居に必要な費用は月額約8万円からです。
具体的な費用について、初期費用と月額費用に分けて見ていきましょう。

初期費用

特養の初期費用は無料です。
多くの介護施設に入居する際に必要とされる、いわゆる入居一時金は、特養では必要ありません。

月額費用

特養の月額費用は約8〜15万円ほどです。
公的機関により運営されているため、民間の介護施設よりも費用が安いことが大きな特徴です。

初期費用が0円であるため、特養の入居に必要な費用は月額費用のみとなります。

特別養護老人ホーム(特養)に入居するメリット・デメリット

特別養護老人ホームに入居するメリット・デメリットには、それぞれ以下の点が挙げられます。

メリットデメリット
費用が安い
充実した介護サービスが受けられる
すぐに入居が難しい
医療サービスの提供が不十分

特養に入居するメリットは費用が安いだけでなく、充実した介護サービスが受けられる点にもあります。
24時間体制で介護サービスが提供されるため、家族を安心して入居させることができるでしょう。

一方、施設の数が需要に見合っていないため、入居待ちとなることがほとんどであり、すぐに入居ができません。

また、介護サービスは充実しているものの医療サービスの提供が不十分な場合があります。
そのため、医療ケアを必要とする場合、万全の医療サービスが受けられる他の施設を検討することをおすすめします。

低所得者が入れる公的な老人ホーム②軽費老人ホーム(ケアハウス)

介助士

軽費老人ホーム(ケアハウス)も低所得者が入れる老人ホームの1つです。

ここでは、軽費老人ホームがどのような施設なのか、軽費老人ホームの入居費用、軽費老人ホームに入居するメリット・デメリットについて解説します。

軽費老人ホーム(ケアハウス)とは

軽費老人ホームは、特養と同じく自宅での生活が困難な高齢者の日常生活を支援する施設です。

軽費老人ホームにはA型、B型、C型の3種類がありますが、今後はC型(いわゆるケアハウス)に統合されるため、C型(ケアハウス)をメインに解説します。

ケアハウスは、介護サービスの有無により自立型と介護型の2種類に分かれています。

自立型と介護型のそれぞれの入居条件や提供サービスは次の表のとおりです。

自立型介護型
入居条件原則60歳以上(夫婦の場合は、一方が60歳以上であればよい)
自立した生活が難しい
原則65歳以上
要介護1以上
自立した生活が難しい
提供サービス日常生活支援日常生活支援
介護サービス

自立型と介護型では、介護サービスの有無だけでなく入居条件にも差があります。よく確認しておくと良いでしょう。

軽費老人ホーム(ケアハウス)の入居に必要な費用は月額約10万円~

軽費老人ホームの入居に必要な費用は月額約10万円からです。
具体的な費用について、初期費用と月額費用に分けて見ていきましょう。

初期費用

初期費用は自立型、介護型ともに0〜30万円です。
入居する際に、入居一時金として0〜30万円ほどの費用を支払う必要があります。

しかし、軽費老人ホームの入居一時金は施設によって大きな差があります。費用の安い軽費老人ホームを探してみてください。

月額費用

月額費用は自立型が7〜13万円、介護型が16〜20万円程度です。
サービス内容が充実している分、介護型のほうが高くなっています。

しかし、月額費用も施設によって大きな差があるため、初期費用とあわせて費用の安い軽費老人ホームを探してみると良いでしょう。

軽費老人ホーム(ケアハウス)に入居するメリット・デメリット

軽費老人ホームに入居するメリット・デメリットには、それぞれ以下の点が挙げられます。

メリットデメリット
費用が安い
プライバシーの確保が可能
共同生活が中心
医療ケアが必要な場合は退去が必要

軽費老人ホームは費用が安い上、原則個室であるためプライバシーが確保されるメリットがあります。

一方、共同生活が中心となるため、他の入居者とのコミュニケーションが苦痛な場合や1人で静かに暮らしたい場合には向いていない可能性があります。

また、医療ケアへの対応はできないため、要介護度が上がってしまうと退去しなければならない場合もある点に注意してください。

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低所得者が入れる公的な老人ホーム③介護老人保健施設(老健)

介助士

低所得者が入れる老人ホームには、介護老人保健施設(老健)もあります。
ここでは、老健がどのような施設なのか、老健の入居費用、老健に入居するメリット・デメリットについて解説します。

介護老人保健施設(老健)とは

介護老人保健施設(老健)とは、要介護状態にある人が在宅復帰を目指すための施設です。
老健の入居条件は、要介護1以上です。

生活支援や介護サービスが受けられるだけではなく、病院退院後の延長上の施設として、充実した医療・リハビリのサービスも受けられます。

また、特養やケアハウスとは異なり、入居期間は社会復帰を目指すまでの3〜6カ月間ほどとなります。
介護施設を探している間や特養の待機中に老健に入るなどの使い方をする人もいます。

介護老人保健施設(老健)の入居に必要な費用は月額約5万円~

老健の入居に必要な費用は月額約5万円からです。
具体的な費用について、初期費用と月額費用に分けて見ていきましょう。

初期費用

老健の初期費用は、特養と同じく無料です。
入居一時金を支払わなくて良いため、一時的な入居先として老健を活用するハードルも低くなるでしょう。

月額費用

老健の月額費用は、8〜14万円程度です。
特養と同じく初期費用がないため、老健の入居に際して支払う費用は月額費用のみです。

介護老人保健施設(老健)に入居するメリット・デメリット

老健に入居するメリット・デメリットには、それぞれ以下の点が挙げられます。

メリットデメリット
費用が安い
医療体制が充実
短い期間しか生活できない
洗濯などは自分でする必要がある
相部屋になる場合が多い

老健に入居するメリットは、費用が安いことだけでなく医療体制が充実していることにもあります。
リハビリができる環境も整っているため、在宅復帰を目指す方には最適な環境でしょう。

一方、短い期間しか生活できない上、洗濯などの生活支援サービスがありません。そのため、自分でしなければいけないことが多くなってしまう点がデメリットです。

また、個室ではなく相部屋になる可能性が高く、プライバシーの確保が不十分な点もデメリットといえるでしょう。

公的な補助制度を利用して老人ホームの費用負担を軽減しよう

介助士

老人ホームの費用負担を軽減するためには、以下のような公的な補助制度を利用することがおすすめです。

公的な補助制度内容
特定入所者介護サービス費所得の低い人が介護施設に入居する際に申請できる制度。
高額介護サービス費介護保険サービスに対する自己負担額が上限を超えた場合に還付が受けられる制度。
高額医療・高額介護合算制度同一世帯で支払った介護保険サービス・医療費の自己負担額が基準を超えた場合に還付が受けられる制度。
介護保険料の減免制度低所得者などが条件を満たすことで介護保険料の減免措置を受けられる制度。

他に、自治体が独自で行っている助成制度を利用したり、生活保護を申請したりすることで、費用負担を軽減できるでしょう。

低所得者が老人ホームを探すときに注意すること

介助士

低所得者が老人ホームを探すときに注意することは、次の3点です。

  • 民間施設の中には囲い込みが問題になっている老人ホームもある
  • 条件に順位をつける
  • 必要な費用総額をシミュレーションする

それぞれの点について以下で解説します。

民間施設の中には囲い込みが問題になっている老人ホームもある

民間施設の中には、利用する介護サービスを同系列の事業者のみに縛ろうとする事業者があります。
もし、別の系列の事業者と契約してしまうと、入居ができなくなるなど利用に制限がかかってしまうことがあるのです。

本来、どの事業者と契約するかは利用者の自由であるため、無理に囲い込みをしようとしている事業者には注意してください。

条件に優先順位をつける

老人ホームの入居費用を安くしようとすると、希望する条件を全て満たす施設が見つからない可能性があります。

条件のいずれかを諦めなければ、施設に入居できるチャンスを逃してしまうことがあるでしょう。
そのため、譲れない条件はどれか、ある程度譲れる条件はどれかを考え、条件に優先順位をつけることが大切です。

必要な費用総額をシミュレーションする

入居費用について考える際、必要な費用総額をシミュレーションすることが大切です。

単に施設入居にかかる初期費用と月額費用だけを見るのではなく、オプション費用や外部の介護サービスにかかる費用など、どのような費用がかかるのかを整理すると良いでしょう。

もし、費用総額のシミュレーションが難しい場合は、施設の担当者に相談してみてください。

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低所得者の老人ホーム入居に関するよくある質問

お年寄り

低所得者の老人ホーム入居に関するよくある質問を2つ紹介します。
それぞれの質問に対する回答を参考にしてみてください。

親が低所得の場合、老人ホームの費用は誰が負担する?

老人ホームの費用は基本的に親本人が支払います。

もし、親が低所得で介護費用が捻出できない場合は、子どもが代わりに負担することもできますが、公的な支援制度を利用するなどの対策も考えられます。

詳しくは以下の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

老人ホームの費用を払わないとどうなる?

老人ホームの費用を払わない場合、1〜2カ月ほどは猶予期間として入居を続けることができるかもしれません。

しかし、猶予期間が過ぎてしまうと退去となってしまいます。

また、あまりにも滞納が続いてしまうと身元保証人に連絡がいき、支払いなどを求められます。

まとめ:低所得者でも入れる老人ホームはある

介助士

低所得者でも入れる老人ホームはあります。
具体的には、公的施設である特別養護老人ホームや軽費老人ホーム(ケアハウス)、介護老人保健施設(老健)などが挙げられます。

国や自治体などが提供する助成制度を利用するなどして、費用負担を軽減することも可能です。

また、老人ホームへの入居を考える場合、家族信託の利用も検討してみてください。
家族信託を利用すれば、認知症になった人の財産凍結を防ぐことができます。

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