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いざ終活を始めようと思っても、何から始めていいかわからないと悩む方は多くいます。
終活の内容は多岐にわたるため、戸惑うのも無理ないでしょう。
この記事では、終活初心者の方のために、終活の始め方や手順を解説します。
終活を始める年代別に何をすべきかも解説しますので、終活を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
終活とは、「人生の終わりに向けた活動」を意味する言葉です。
主に、財産の整理やもしもの時の意思表示、自分が亡くなった後の葬儀や相続などを円滑に進めるための準備や計画を行います。
言葉だけ聞くと自分の死を連想してしまい、終活に対してネガティブなイメージを持ってしまう方もいらっしゃるでしょう。
しかし、これから説明するように、終活は残りの人生を前向きに生きるために必要となるポジティブな活動を指します。
終活をすると「自分らしく人生を終えるには何が必要なのか」を考えるきっかけが生まれると同時に、今をより良く生きるために一度自分の人生を整理することができます。
自分自身のためだけでなく、自分の死後に遺された家族が相続や葬儀などに困らないようにするためにも大切なことなのです。
実際に終活を始めることで、どのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは、終活をすることのメリットについて解説していきます。
終活によるメリットとして最初に挙げられるのが、「自分の人生を見つめ直すきっかけが生まれること」です。
終活をすることで、自分自身の気持ちを整理できると同時に、これまでの人生を振り返ることができます。
そして、やり残したことや後悔がないように、今後、自分が残された人生をどのように送りたいのかを考えることにも繋がります。
実際にやり残したことの例としては「親しい友人と再会する」「自分史を作成する」「思い出の場所を旅行する」などが挙げられるでしょう。
他にも、医療や介護の治療方針など普段あまり考える機会がないようなことも、終活を機に決めることができます。
限られた人生を悔いなく前向きに過ごしていくためにも、人生の最期と向き合う終活は非常に大切な時間です。
終活は、老後の不安を和らげる効果をもたらします。
終活には、保有財産の整理や介護施設のリサーチなど、様々な準備活動をともないます。
まずは現状を把握し、やることリストを作成して必要な作業を書き出してみましょう。問題点が浮き彫りになります。
人は見えない問題に不安を抱きます。しかし、問題を目に見える形にまで落とし込めば、現状と向き合えるようになり不安も和らぎます。
問題の見える化により、漠然と恐れていた不安が思ったより軽いものだったと気づくこともあるでしょう。
終活には、漠然とした不安を解消できるメリットがあるといえます。
自分の死後に、遺された家族の負担を軽減できることも終活のメリットの 1 つです。
人が亡くなると、その家族は遺品整理や相続の手続きなど、様々なことをしなければならなくなります。
家族の死に気が動転してる中で、財産相続がどのようになっているか、遺品をどのように扱ったらい良いのか、誰に連絡してどのように葬儀を行ったら良いのかなどの情報を一から収集することは、家族にとって非常に大きな負担となるでしょう。
しかし、終活として生前から身の回りの整理をしたり、自分の希望を書いたり、財産整理をしたりしていれば、遺された家族の負担を軽減することができます。
終活のメリットの1つに、相続トラブルの回避があります。
相続トラブルの多くは、故人がものごとを曖昧にした結果により起こります。
相続財産の配分や事業の引き継ぎ先を曖昧にした結果、相続人が自らの権利を主張して争いに繋がります。
実家の土地は長男が相続する、預貯金の全額は次男が相続するといった具合で、権利関係を具体化し、遺言で財産の行先を明確にしておきましょう。
誰の目にも明らかな形で権利関係を明確にしておけば、争いは起きづらいです。
死後の権利関係を明確にし紛争になりうる元を断つ作業は、終活のメリットであり、親の責務ともいえるでしょう。
終活にはデメリットもあります。
終活では、自分の死をイメージしなければなりません。
「長生きしたい」「1日でも長く親しい人と過ごしたい」と考えている方にとって、不安に感じたりつらくなってしまったりする可能性があります。
場合によっては、1人で考え込んでしまい、終活自体がストレスになってしまうこともあるでしょう。
終活をする際には1人で抱え込まず、家族や友人など周りの人や専門家に相談することも検討してみてください。
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ここまでは、終活の意味やメリットについて解説してきました。
では実際にどのようにして終活を始めたら良いのでしょうか。
ここでは、終活のやることリストを「現状把握編」と「対策編」に分けてわかりやすくご紹介します。
終活を始めるにあたって、まずは財産などの現状や、医療や相続に対しての自分の希望を把握する必要があります。
ここでは「現状把握編」としてのやることリストを紹介します。
まずは自分の所有している財産が、どこに、どれだけあるのかをきちんと把握しましょう。
財産を整理することは、今後のライフプランを立てたり、介護や医療にかかる費用を準備したり、相続時の家族の負担を軽減したりするために必要不可欠です。
具体的な財産の種類としては、主に以下のような項目があります。
これらの財産をすべて洗い出し、リストアップしておきましょう。
中には、使用頻度の低いサービスや使っていない口座などが見つかることもあるでしょう。
遺された家族に負担をかけないためにも、こういった不要なものは、処分・解約し、財産をシンプルにするよう心がけましょう。
前項で挙げた財産のうち、特に家や土地などの不動産を所有している場合は、どのように管理・処分をするかあらかじめ決めておきましょう。
不動産は預貯金などと違い簡単に分割できないため、相続の際に争いのもとになりやすくなります。
また、不動産の所有者が亡くなったあと空家となり、老朽化による倒壊などで近隣トラブルが発生する可能性もあります。
そのため、自分が亡くなった後も家族が自宅に住み続けるのか、それとも手放すのかなどの不動産の管理や処分方法について事前に検討しておきましょう。
死後に処分する方法の他にも、生きているうちに自宅を売却して現金化し、老後の資金にあてたり、あらかじめ遺言書で相続する人を指定したりするなどの手段があります。
自分が病気になったり怪我などで体が不自由になったりしたときに、どのような医療や介護を希望するのかも、はっきりと決めておきましょう。
医療に関しては、苦痛なく最期を迎えたいのか、苦痛があっても延命治療を望むのかといったことまで明確に意思表示しておくと、家族も安心して治療の手続きなどを進めることができます。
また、介護に関しては、将来、介護施設への入所を希望するのか、できるだけ家族に介護してもらいたいのかなどの希望も決めておくと良いです。
他にも、何らかの保険に加入している場合は、自分にとって必要な保障が受けられる契約内容なのか改めて見直しましょう。
未加入の場合は、いざという時のために介護保険や医療保険などの各種保険への加入を考えてみると良いです。
また、死亡保険の保険金は、相続財産とは別に管理され受取人固有の財産となるため、相続税対策としても活用することができます。 葬儀費用が心配な場合なども、保険に加入しておくことで保険金で賄うことができたりするので、ぜひ検討してみてください。
現状を把握できたところで、次に自分の希望を叶えるにはどのような対策が必要なのか検討し、実行に移す必要があります。
ここでは、対策編としてのやることリストを紹介するので、参考にしてください。
現状把握編で財産の整理ができたら、亡くなった後の財産の引き継ぎ方についても検討しましょう。
具体的には、遺言を作成し生前に贈与する財産や相続時の分け方などを決めておくと良いです。
相続では遺言書がない場合、民法で決められた法定相続人が法定相続分に応じて遺産分割を行います。
そのため、法定相続ではなく自分の希望に沿った遺産分割を行いたい場合は、遺言書を作成しておく必要があります。
財産の整理以外にも、人間関係や思い出の物の整理などの身辺整理を行うと良いでしょう。
例えば「これまでの人生でお世話になった人や親しい友人などの名前や連絡先を整理しておく」「長い間会っていなかった友人と会う」などが挙げられます。「ケンカ別れした友人と仲直りする」なども考えられるかもしれません。
また、アルバムや思い出の品は、手元に残したい物だけを取っておき、その他は家族に託したり処分したりすることや、スマホやパソコンのデータ、SNS の投稿などを見直して、必要に応じて削除することなども忘れずに行いましょう。
他にも、遺された家族の負担を減らすために、葬儀やお墓の準備もしておきましょう。
葬儀についてはどの宗派にするのか、「家族葬」や「一般葬」など自分の希望する葬儀のスタイル、遺影などを決めておくと良いです。
お墓を自分で購入する場合や改葬する場合は、自分の好みの種類や場所、デザインなどを決めておくことができます。
また、墓地管理料を払えば、生前から入手することも可能です。
墓石以外にも、霊園や寺院などがご遺骨を管理・供養する「永代供養」や、墓石の代わりに樹木を墓標とする「樹木葬」などの方法もあるので、あらかじめ検討しておきましょう。
相続税の発生が見込まれる場合は、相続税対策も検討しましょう。
相続税の支払いで困るのは、残された配偶者や子どもたちです。相続税を支払えずに、やむなく実家の土地を手放すケースもあります。
残された遺族の生活を守るためにも、相続税対策は大切です。
手順として、まずは相続税発生の有無を確認しましょう。相続税が発生するほどの資産を持たないのであれば、目立った相続税対策は不要です。
相続税発生の可能性がある方は税理士などに相談し、相続税対策を本格的に始めましょう。
相続税対策の方法はたくさんあり、生前贈与、生命保険の加入、不動産の購入などが具体例です。
相続税対策は早めの行動が大切です。終活のなかでも複雑な分野に該当しますが、後回しにしないようにしましょう。
終活には、死後のペットの扱いも含まれます。
ペットの処理について決めておかないと、本人死亡後に遺族が困るためです。ペットの飼育には手間も費用もかかるため、自らすすんで世話を引き受ける相続人が見つからない可能性もあります。
ペットの飼育を特定の相続人に任せたい場合、負担付き贈与が方法として考えられます。負担付き贈与は、ペットの世話を条件に財産を相続させるなど、条件付きで財産を相続させる方法です。
相続人のなかにペットを世話する適役が見当たらない場合は、ペット信託を活用して、NPO団体にペットの飼育を託す手段もあります。
終活には、ペットの扱いも含まれる点を確認しましょう。
財産管理委任契約とは、自分の財産を他の人に代わりに管理してもらう契約のことです。
具体的には、契約の締結や預貯金の引き出しなどの手続きを、代理権を与えた人に任せます。
契約では任せる内容を決められるため、財産管理の一部だけを任せることも可能です。
財産管理委任契約を結ぶ際は口約束だけでなく、公正証書の作成がおすすめです。
口約束だけでは金融機関などで代理としての手続きが認められない場合があるため、客観的な証拠として作成しておきましょう。
見守り契約とは、本人と定期的に連絡を取り合い、成年後見制度を利用するタイミングを相談したり判断してもらったりする契約のことです。
電話や面会などの方法により定期的に連絡を取り、本人の身体や判断能力に異変が起きていないかを見守ってもらえます。
特に、任意後見契約を結んだ後に見守り契約を結ぶことで、いつ任意後見監督人の選任申立てをするのかを一緒に判断できます。
これにより、任意後見制度を適切なタイミングで始めることができ、認知症になった後も信頼できる人に財産管理を任せられるため、安心して過ごせるでしょう。
より精度の高い終活をするためには、家族信託や任意後見制度の検討もおすすめです。
終活と聞くと、死後のための準備というイメージがあります。
しかし、広い意味では認知症対策も終活に含まれるといえます。認知症になり判断能力が衰えると、本人の判断で財産を管理できなくなるためです。
死後のみならず、認知症になってから死亡するまでの財産管理も考えておく必要があります。
家族信託や任意後見制度は、認知症対策として有効です。死ぬまでの間の財産管理を、柔軟な形で相続人に任せることができます。
終活には、認知症対策も含まれる点をおさえておきましょう。認知症対策には、家族信託や任意後見制度の利用を検討しましょう。
死後に発生する事務作業を第三者にまかせたいときは、死後事務委任契約を検討しましょう。
死後には、遺体の引取、葬儀手配、納骨、行政手続きなど、多くの事務作業が発生します。
死後の事務作業は、相続人に任せることも可能です。しかし、家族に手間をかけさせたくない方は、死後事務委任契約で第三者に事務作業を委任できます。
子どもが遠方に住んでいたり、子どもが仕事で忙しかったりする場合、死後事務委任契約を検討してみてもよいでしょう。
終活を始めるにあたって、エンディングノートを作成する方も多くいます。
エンディングノートとは、 人生の終わりに備えて自分の情報や希望を書き記すためのノートのことです。
エンディングノートには、上述したような財産の情報や医療に対する考え方、葬儀や遺影の希望、相続の方針や連絡先など、家族に伝えておきたい情報や希望を記載します。
このノートを作成することで、終活において自分のすべきことが明確になるだけでなく、自分の死後、家族がスムーズに手続きを進めることができるようになります。
あらかじめ項目が整理されたエンディングノートも市販されているため、書き方がわからない場合は活用してみましょう。
ただし、エンディングノートには法的拘束力はなく、相続に関して法的に効力のある対策をしたい場合は、別途遺言書などを作成しなければならないため注意が必要です。
終活をし、さらなるゆとりが欲しいと感じた場合、仕事を探す人もいます。
今までの経験を生かせる仕事に就く人もいれば、まったく新しい仕事に就く人もいるため、自分のやりたいことを探してみてください。
仕事をすれば収入が入るだけでなく、社会的な人とのつながりも手に入り、新たな目標や夢ができるかもしれません。
このように、仕事には多くのメリットがあるため、働ける身体状態であれば、ぜひ仕事を探してみてください。
遺産の相続方法を決めておきたい場合、遺言書の作成がおすすめです。
遺言書が効力を持つには、次の3種類のうちどれか1種類を選び、正しく書く必要があります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
自筆証書遺言とは、本人の自筆により記載した遺言書です。
財産目録以外、パソコンではなく自筆で書く必要があります。
自筆証書遺言が有効と判断されるには、必要項目の記載だけでなく、署名・押印や訂正方法などがすべて法律の要件を満たさなければなりません。
自筆証書遺言を作成した場合には、管理体制に注意を払うことが大切です。
遺言書を紛失したり遺言書を発見した人が自分に好都合な内容に書き換えたりする可能性があるためです。
安全に管理するためには、法務局で行っている自筆証書遺言書保管制度などの活用を検討してみてください。
公正証書遺言とは、公証人に作成してもらう遺言書です。
公証人は法律のプロであるため、自分の希望を正確に遺言書に反映できる上、遺言書が無効になるリスクを軽減できます。
公正証書遺言の作成には、公証人と遺言者、2人以上の証人が同席します。
遺言者が遺言書の内容を確認した後、遺言者と証人が署名・押印をし、公証人がプロセスの適正さを確認して署名・押印をすることで作成完了です。
公正証書遺言の作成には時間と費用がかかりますが、有効な遺言書を確実に作成したい場合は利用を検討してみてください。
秘密証書遺言とは、遺言書の内容を秘密にして作成する遺言書です。
自筆証書遺言とは異なり、パソコンでの作成もできます。
秘密証書遺言を作成したら、遺言書の存在を2人以上の証人が確認し、封入・封印しなければなりません。
その際、証人は中身を確認しないため、死後に遺言書を開封し、内容が不十分であれば、無効になってしまう可能性があります。
そのため、秘密証書遺言を作成する際は、遺言書が法的に有効になるための注意を払う必要があるでしょう。
また、作成した遺言書は証人2人と公証役場に持参する必要があります。
終活を始めるにあたっては、決まった年齢はありません。
一般的な終活開始時期は、60代以降とされていますが、早く始めても損はありません。人間はいつ死ぬかわからないためです。
20代から終活を始める方もいれば、50代以降から終活を始める方もいます。
終活開始時期に適切な年齢はありませんが、終活内容によっては急いだ方が良いものもあります。
例えば相続税対策です。相続税対策には、不動産購入など大がかりな手段もあり、内容によっては時間がかかります。
終活を始める方は、年齢にとらわれず、個々の事情に合わせて考えましょう。
20〜30代で終活を始める際は、日常生活で整理を行うことがポイントです。
不用品を捨てたりデジタルデータを整理したりすることで、身の回りをスッキリさせることをおすすめします。
特に、20〜30代の方はインターネット上のサービスを利用する機会が多いため、ログインパスワードや登録している有料サイト、サブスクリプションなどを整理しておきましょう。
不要なものは解約し、必要なものは契約を継続した上で、エンディングノートにまとめておくことがおすすめです。
40代で終活を始める際は、老後のプランを立てることがポイントです。
健康面や経済面に不安を感じ始めるなど、本格的に老後が気になり始める人も多くいるでしょう。
そこで、健康で長生きするための方法を調べたり、老後にはいくら必要なのかを考え始めたりするなど、老後の生活を想像してみてください。
さらに、具体的に老後はどう生きるのか、老後に必要な資金はいくらなのかなど、プランを立てることもおすすめです。
老後のプランを立てると、プラン実行のために情報収集や資産運用などの具体的な行動に取り組みやすくなります。
50代で終活を始める際は、人生の終わりを具体的に想像することがポイントです。
実際に葬儀やお墓、相続方法についての希望などをエンディングノートに書き始めてみてください。
また、必要に応じて死後事務委任契約の締結なども視野に入れておくと良いでしょう。
自分の死を直視することになるため、不安になったりつらくなったりしてしまうことがあるかもしれません。
その場合は1人で考え込まず、親族や友人、専門家などに相談しながら進めることがおすすめです。
60代で終活を始める際は、財産整理や持ち物整理など身の回りの整理を着実に行うことがポイントです。
財産整理では、相続手続きを円滑に進めるために不要な口座やカードの解約を行い、貯蓄を使い切らないために目的別に資産を分けることがおすすめです。
一方、持ち物整理は、残された親族が遺品を片付ける手間を減らす目的だけでなく、自分が気に入った物だけに囲まれて快適に過ごせるようにする目的もあります。
徐々に物がなくなっていくと寂しい気持ちになることもあるかもしれませんが、前向きな気持ちで片付けを進めてみてください。
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終活に取り組むときに、注意すべき点を解説します。
終活に含まれる作業は、一般の方が想像するより広く、見落としがちな点も多いです。
終活において、家族との情報共有は大切です。
エンディングノートや遺言書は、家族に伝わる形で、保管しておく必要があります。
遺言書が発見されず、誰の目にも触れずに相続を迎えた場合、遺言の目的は達成されずに終わります。遺言書の未確認は、相続人間のトラブルにも繋がるでしょう。
また、内容によっては自分以外の家族も巻き込んでの終活になります。
例えば、財産管理を他の家族に任せる場合です。
家族信託や任意後見制度は、柔軟な財産管理ができる相続税対策として有効です。しかし、財産管理を自分以外の家族に任せる以上、財産内容の情報共有は不可欠になります。
終活するにあたっては、家族との情報共有を怠らないようにしましょう。
終活をする方は、やりたいこともリストアップしましょう。
終活と聞くと、遺言書作成や相続税対策など、やらなければならない作業を思い浮かべがちです。
それだけでなく、終活にはポジティブな内容も含めましょう。義務的な内容ばかりをリストに並べると、精神的に悪影響を及ぼします。
英語学習や留学、旅行、楽器の演奏、学生時代の友人との交流など、やってみたかったけれどできていなかった願望も書き出してみましょう。
やらなければならないことと並行して、やりたいことも考えることで、終活は前向きな作業になります。
デジタル終活とは、パソコンやスマホ上のデータの整理です。
パソコンやスマホのデータには、メールアドレスや連絡先、ID、パスワード、SNSアカウントなど、個人情報が集約されています。
第三者の目に触れさせたくないデータは破棄するなどの対応をし、残しておきたいデータに関しては引継ぎ相手を探しておきましょう。
プライバシー以外に、サブスクリプションサービスの問題もあります。
動画配信サービスなどのサブスクリプションサービスに加入している場合は、死後に料金が発生しない対策を取る必要があります。
デジタル終活は見逃す方が多いため、注意が必要です。
終活には、専門の知識や経験が求められる内容も含まれます。
専門分野が含まれる分野については、専門家の手を借りることが近道です。
遺言書の作成や相続税対策、家族信託、任意後見制度など、専門知識を要する終活は多岐にわたります。
専門家の手を借りる終活には複雑な内容が含まれ、費用がかかる内容も含まれます。しかし、専門家が介在する終活は、手間がかかるぶん効果も高いです。
例えば、家族信託を活用した認知症後の不動産管理です。家族信託を活用することで、スムーズな不動産の管理・売却が可能になります。
より高度な終活を実現させたい方にとって、専門家の力は欠かせません。
では実際に、終活を進めていくなかで悩みやわからないことが生じた場合、どのようなところへ相談すれば良いのでしょうか。
ここでは、終活についての専門家や相談先を紹介するのでぜひ参考にしてください。
終活で何をすればいいのか、エンディングノートの書き方や具体的な手続きなどがわからないという方は、終活アドバイザーや終活カウンセラーなどの専門職に相談してみることもおすすめです。
終活アドバイザーは、エンディングノートについての助言、弁護士や司法書士などの専門家への橋渡し、公的機関の窓口への同行などを行います。終活カウンセラーは、遺言や保険、葬儀、お墓、介護施設などについてのカウンセリングを主に行っています。
必要に応じて、これらの専門家へ相談してみると良いでしょう。
遺言書の作成や相続に関する相談など、法的なことに関しては司法書士や税理士、弁護士、行政書士などの専門家に相談しましょう。
相談内容 | 専門家 |
---|---|
相続財産に不動産が含まれる場合の相談 | 司法書士 |
贈与税や相続税など税金に関する相談 | 税理士 |
相続トラブルの防止など法的な問題に関する相談 | 弁護士 |
遺言書の作成に関する相談 | 行政書士 |
など状況に応じて相談する専門家を選ぶ必要があります。
葬儀に関する相談をしたい場合は、事前相談を行っている葬儀社に相談しましょう。
葬儀社の中には、葬儀の生前予約を受け付けている葬儀社もあります。
事前に葬儀の場所や内容を決めておくことができるので、葬儀費用をあらかじめ把握することができるだけでなく、手続きも済ませておくことで家族の負担を減らすこともできます。
おひとりさまであっても、終活は役に立ちます。
おひとりさまである以上、遺族や相続人の都合を考えての終活は不要といえるでしょう。
しかし、遺族なしでも意味のある終活はあります。
例えばデジタル終活です。遺族がいないとしても、誰にも見られたくないデータを残したままこの世を去ることに、抵抗を感じる方はいるでしょう。
おひとりさまであっても、個々の事情や終活の内容によっては、終活は必要といえます。
「終活」とは、自分の死後に関することを考え、準備することを指す言葉です。
終活は年齢や健康状態に関係なく、誰でも始めることができますが、できるだけ早めに始めることが望ましいです。
例えば、若いうちから「遺言書」を作成することは、将来に備えるために重要です。また、健康状態が良いうちに「医療指示書」を作成しておくことも大切です。
これにより、自分が望む治療を受けることができ、家族や医療スタッフにも迷惑をかけずに済みます。
年齢を重ねるにつれて、自分の生活や遺された人たちのことを考えることが増えてくるため、終活について考えることは自然なことです。 ただし、急いで始める必要はなく、自分に合ったペースで取り組むことが大切です。
終活では、自分が死後に残したいことや、家族や周囲の人たちが死後に抱える問題を解決するために、以下のようなことを考えることが重要です。
①遺言書の作成
遺言書は、財産分与や遺産相続などの問題を解決するために作成されます。自分が亡くなった後に、自分の財産や遺産をどのように分けるかを書き残すことができます。専門家のアドバイスを受けながら、正式な手続きに従って作成することが望ましいです。
②医療指示書の作成
医療指示書は自分が望む治療方法や、望まない治療方法などを医療関係者に伝える書類です。自分の健康状態が悪化した場合、自分が希望する治療を受けることができます。
③葬儀やお墓の手配
葬儀やお墓の手配は、自分の死後に残したいことを考える上で重要な要素です。家族や親しい人たちと話し合って、自分が望む形式の葬儀やお墓を決めることができます。
④デジタル遺産の管理
現代では、インターネット上に残したデジタル遺産も重要な遺産の1つとなっています。SNSアカウントやメールアカウントなど、自分が遺したいデジタル遺産を整理し、管理しましょう。
これらのことを始めるために、法律家や専門家のアドバイスを受けることが望ましいです。また、家族や親しい人たちと話し合うことも重要であり、自分が亡くなった後に家族が困らないように、適切な準備をすることが大切です。
エンディングノートと遺言書の違いは、法的効力の有無です。
遺言書は法的効力があるため、記載内容に沿って、相続財産の配分が決まります。
法的効力があるため、様式も法律で決まっています。様式に沿わない遺言書は効果がありません。
エンディングノートは、そもそも法的効力がないため、様式を気にする必要なく記載可能です。
エンディングノートは、自分の気持ちを遺族に伝えるためのツールとして効果的です。
しかし、法的効力が欠ける以上、遺産の配分など相続トラブルに繋がりやすい事柄に関しては、エンディングノートではなく遺言書に書き記しましょう。
エンディングノートには法的効力がない旨を覚えておきましょう。
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終活は自分自身と家族のための準備です。
人生の終わりを良い形で迎えるためには、遺族のみならず自分自身にしてあげられることも併せて考える姿勢が求められます。
遺言書の作成や相続税対策は、遺族のための終活です。遺族のためには必要不可欠な終活といえるでしょう。
一方で、やりたいことリストの作成やデジタル終活は、自分自身のための終活です。自分のための終活も見逃さないようにしましょう。
家族信託など専門知識を使った終活は、高度なスキルを要するため専門家に任せましょう。
終活は何歳から始めても「早い」ということはありません。必要だと思ったときから徐々に始めることで、いざ老後が近づいたときに焦らずに済みます。身の回りの整理や老後の生活プランを立てることから始めてみてください。
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教育福祉系ベンチャーにて社長室広報、マネージャーとして障害者就労移行支援事業、発達障がい児の学習塾の開発、教育福祉の関係機関連携に従事。
その後、独立し、5年間美容サロン経営に従事、埼玉県にて3店舗を展開。
7年間母親と二人で重度認知症の祖母を自宅介護した経験と、障害者福祉、発達障がい児の教育事業の経験から、 様々な制度の比較をお手伝いし、ご家族の安心な老後を支える家族信託コーディネーターとして邁進。
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