見当識障害とは?症状や原因・せん妄との違いなども紹介

見当識障害とは
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見当識障害は認知症の主な症状の1つです。
時間、場所、人物に関する認識能力が低下し、自宅にいるにもかかわらず「家に帰りたい」と口にする人もいます。

見当識障害を患っている人と接する場合は、障害の特性を理解し冷静に対応しなければなりません。

この記事では、見当識障害の症状や原因、対応方法について解説します。
見当識障害について気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

見当識障害とは?

頭に手を当てる

見当識障害とは、「時間・場所・人物」を認識する能力が低下した状態であり、認知症の症状と重なります。

具体的な症状は次の通りです。

  • 現在の日付や季節が認識できなくなる
  • 現在いる場所が認識できなくなる
  • 家族や知人の顔が認識できなくなる

季節外れの服装をする、自宅にたどり着けない、家族を他人と見間違えるといった行動が顕著になった場合は、見当識障害を疑ったほうがよいでしょう。

見当識障害の症状は、同時に発症するわけでなく、「時間 → 場所 → 人物」の順に進行していきます。

見当識障害は認知症の早期から見られる症状であり、早めの対処が適切な認知症対策につながります。ただし、改善を急ぐあまり本人にきつくあたってしまうと、かえって逆効果になるため注意が必要です。

見当識障害とせん妄との違い

選択

見当識障害とせん妄との違いについて解説します。

見当識障害とせん妄は症状に共通する部分もありますが、以下の点で違いがあります。

  • 意識状態
  • 症状の持続期間

見当識障害は、せん妄に比べて、本人の意識がはっきりしているケースがほとんどです。
また、せん妄は症状の程度が日々異なる一方、見当識障害は症状が継続で変化を読み取るのが困難です。

このように、意識状態や症状の持続期間に注目すると、見当識障害とせん妄の区別がつきやすくなります。

見当識障害とせん妄は障害となる原因が異なり、対応の仕方や治療方法にも違いがあります。それゆえ、適切な対処をするにあたっては、どちらの症状なのか見極める必要があります。

見当識障害に見られる症状やトラブル

疑問

見当識障害の症状は、以下3つの段階に分類されます。

  1. 時間的感覚
  2. 方向感覚
  3. 人間関係

3つの症状は同時に発症するわけでなく、「時間 → 場所 → 人物」の順に沿って進行するのが見当識障害の特徴です。

時間感覚

時間を認識する能力の低下は、見当識障害で最初に見られる症状です。

時間的感覚が低下すると、次のような行動が目立つようになります。

  • 日付や曜日、季節が分からなくなる
  • 約束の時間を忘れる
  • 計画に沿った行動ができなくなる
  • 真冬なのに夏場のような服装をする
  • 真夜中に外出する(昼夜の区別がつかない)
  • 自分の年齢を間違える

上記の行動が目立つと、見当識障害を疑ったほうがよいかもしれません。

曜日を忘れる、約束の時間を忘れるなどは健常者についても起こり得ることなので、過度に不安視する必要がない場合もあります。

もっとも、季節外れの服装をしたり、頻繁に年齢を間違えたりするといった行為が目立つ場合は注意したほうがよいでしょう。

方向感覚

方向感覚を認識する能力の低下は、見当識障害で2番目に見られる症状です。

方向感覚を失うと、次のような行動が目立つようになります。

  • 自宅の近くにかかわらず迷子になる
  • 自宅のトイレの場所が分からなくなる
  • トイレに行こうとして風呂場に入る
  • 100km先の目的地まで歩こうとする
  • 近所の家(他人の家)で寝ようとする
  • 昔住んでいた家に帰ろうとする
  • 自宅にいるにもかかわらず「ここは自分の家ではない」と主張する

上記の行動が目立ったら、見当識障害を疑ったほうがよいでしょう。

また、方向感覚を失う段階では時間的感覚も弱体化している可能性が高いと考えられます。約束の日を忘れたり、年齢を忘れたりといった、時間感覚の低下を象徴する行動やミスがないかチェックしましょう。

人間関係

人を認識する能力の低下は、見当識障害で3番目(最後)に見られる症状です。

人を認識する感覚を失うと、次のような行動が目立つようになります。

  • 家族や親しい知人の顔を認識できなくなる
  • 成人した息子・娘を小中学生のように扱う
  • 他界した親に会いに行こうとする
  • 自分の息子(娘)を父(母)や兄(姉)と呼ぶ
  • 初対面の相手なのに「家族」として接する

上記の行動が目立ったら、見当識障害を疑いましょう。

また、人を認識する能力を失う段階では、時間的感覚・場所的感覚も弱体化している可能性が高い傾向にあります。年齢を忘れたり、頻繁に迷子になったりなど、時間感覚や場所的感覚の低下を象徴する行動やミスがないかチェックしましょう。

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見当識障害のリハビリ方法

リハビリ

見当識障害のリハビリ方法を紹介します。

ここで紹介するリハビリ方法は次の2つです。

  • 24時間リアリティ・オリエンテーション
  • クラスルームリアリティ・オリエンテーション

24時間リアリティ・オリエンテーション

起きている状況を継続的に本人に知らせる方法です。
介護者が本人と接する際、常に時間や場所、状況などの情報を提供します。

イメージとしては、次のような感じです。

今は午前11時です。1時間後にお昼ご飯を食べます

現在は午後3時です。車の中です。自宅を出て、病院に向かっています

今は夏なので暑いです。涼しく過ごせるよう半袖のTシャツを着ましょう

今話している相手はお母さんの姉です。現在、姉は東京に住んでいます

逐一、「時間・場所・目の前にいる相手」に関する情報を伝えるようにしましょう。

クラスルームリアリティ・オリエンテーション

集団で行う形式のリハビリ方法です。
週に数回、30分〜1時間程度のグループセッションを定期的に実施します。

グループセッションでは、時間・場所・人物に関する情報を確認します。

人物についての情報を確認したいのであれば、家族や芸能人について話し合うようにするとよいでしょう。特定のトピックについて参加者同士で会話をすることで、認知機能の維持・改善が期待できます。

ポイントは、参加者が楽しめる雰囲気づくりです。

話している内容が事実と違っていたとしても、無理やり訂正することは控えましょう。本人の自尊心を傷つけてしまうかもしれません。

【時間間隔編】見当識障害の人との接し方

目覚まし時計

見当識障害の人との接し方について、時間的感覚に焦点を当てて解説します。ここで紹介するポイントは、次の通りです。

  • 時間や日付を確認できる環境を整える 
  • 行動を無理に止めない
  • 失敗を責めない

時間や日付を確認できる環境を整える

見当識障害の人と接する場合は、時間や日付を確認できる環境を整えるようにしましょう。
見当識障害の人は健常者と比べて時間的感覚が弱まっており、その弱点を補うアプローチが必要になるからです。

具体的には、以下の方法が考えられます。

  • 時計を見やすい場所に配置する
  • 時計はデジタル時計を使う(日付・時刻の表示が大きいものが望ましい)
  • カレンダーを見やすい場所に配置する
  • カレンダーへの書き込みを促す(今日の日付に〇をつけてもらうなど)
  • 部屋に季節感のある装飾を施す

このように、見当識障害の人と接する場合は、本人が時間的感覚を保てる工夫が必要です。

行動を無理に止めない

見当識障害の人と接する場合は、本人の行動を受容する姿勢も大切です。
強引な制止は、本人に混乱や過度な不安をもたらす恐れがあるからです。

例えば、夏場に真冬の服装をしていたとしても、無理やり服を脱がせるような行動は控えたほうが無難です。部屋にいるのであれば、エアコンで温度を調整し対応できます。

本人の行動が命の危険につながる場合、本人の意に反して抑止することも必要ですが、なるべく本人の考えを尊重し、受容することが大切です。

いったん様子を見て、落ち着きを取り戻したところで適切な行動を促すアプローチもあります。

失敗を責めない

見当識障害の人と接する場合は、失敗を責めないように心がけましょう。
見当識障害は本人の意思とは無関係に起こる症状で、失敗を責めても解決に役立たないからです。

見当識障害になると、時間に沿った行動が難しくなります。時間を守れなかったことがあっても、本人に悪意がない場合がほとんどです。

自宅と間違えて他人の家に侵入してしまったなど、𠮟責したくなる状況もありますが、障害の特性を理解し冷静に対処するようにしましょう。

失敗を責めても改善に至るどころか、本人の自尊心を傷つけ、余計に悪化してしまう恐れがあります。

【方向感覚編】見当識障害の人との接し方

手を握る

方向感覚の点からも見ていきましょう。ここで紹介するポイントは、次の通りです。

  • 分かりやすい案内を掲示する
  • 傾聴を大切にする
  • 安心できる環境をつくる

分かりやすい案内を掲示する

見当識障害の人と日常生活を共にする場合は、分かりやすい案内を掲示するようにしましょう。
見当識障害の人は健常者と比べて方向感覚に乏しいからです。

見当識障害の症状が進行すると、自宅のトイレにたどり着くことすら難しくなる場合があります。
その場合、本人の部屋からトイレまでの道のりが分かるような案内をつくっておくと、暮らしやすい環境になるでしょう。

トイレに確実にたどり着つける工夫は重要です。トイレにたどり着けないと本人が失禁してしまう場合もあります。失禁が日常化すると、本人の自尊心を傷つけたり、家族との関係が悪くなったりする原因になります。

傾聴を大切にする

見当識障害の人との接し方でポイントとなるのは傾聴です。
傾聴とは、相手の話を集中して聴き、共感を示すことです。

見当識障害の人は、通常では考えられない発言をする場合もあります。
自宅にいるにもかかわらず「家に帰りたい」と口にするのは、見当識障害でよくある症状です。

見当識障害の人と接し慣れていない場合、対応に困り、本人の言動を即座に否定したくなるかもしれません。
しかし、そのような場合でも冷たい対応を取らず、相手の話に耳を傾けるようにしましょう。

傾聴に関する本は数多く出版されているので、興味がある方は一読をおすすめします。

安心できる環境をつくる

見当識障害の人と接する場合は、本人が安心できる環境づくりが求められます。
自分がうまくできていないと感じると、本人が混乱したり、取り乱したりする恐れがあるからです。

例えば、次のような環境づくりを試みてみましょう。

  • なじみのある家電製品や家具を使う
  • 本人の部屋に思い出の品を配置する
  • 本人にとって心地良い照明の明るさを保つ
  • 本人の好きな音楽を流す
  • 自宅内に案内板をつくるなどの工夫をする
  • 時間を認識しやすい時計を設置する

適切な環境は個人差があるため、一緒に暮らす中で、時間を本人と話しつつベストな環境を見つけていく努力が求められます。

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見当識障害の予防する方法はある?

対処法

見当識障害の予防方法について、紹介します。ここで紹介する方法は、次の通りです。

  • 十分な睡眠を取る
  • バランスの良い食事を取る
  • 人と交流する

見当識障害は、時間・場所・人間を認識する能力が衰える障害であるため、それらの認識能力を衰えさせない習慣や訓練が効果的です。

十分な睡眠を取る

十分な睡眠は見当識障害の予防に役立ちます。
見当識障害になると時間的感覚が失われますが、質の良い睡眠を取ることで、時間的感覚を保てるからです。

睡眠の質を上げる方法はさまざまありますが、例としては次の方法が考えられます。

  • 適度な有酸素運動
  • 就寝前の入浴
  • 就寝・起床の時間を一定に保つ
  • 日光を浴びる
  • 温かいものを飲む
  • 寝具を整える(枕の高さなど)

睡眠の質向上に役立つ書籍やグッズは数多く販売されているので、積極的な情報収集をおすすめします。睡眠の質が上がれば、見当識障害を防げる確率が上がるだけでなく、健康状態の向上にもつながるでしょう。

バランスの良い食事を取る

バランスの良い食事は、あらゆる病気・障害の予防に役立ちます。見当識障害も例外ではありません。
見当識障害の予防のためにも、食事のバランスに気を配りましょう。

一般的には、オメガ3脂肪酸、ビタミンE、ビタミンB群を含む食品や抗酸化作用のある野菜や果物が老化防止に効果的とされています。

ただし、どのような食事が望ましいかは本人の体質にもよるため、一概には言えません。一般的には健康に良いとされる食べ物であっても、本人の体質に合わない場合、アレルギーを引き起こす恐れもあります。

それゆえ、普段の食事が本人にとって問題がないかどうかを調べるため、医療機関や栄養士のアドバイスを頼る方法もあります。

人と交流する

人との交流も見当識障害の予防に役立ちます。
会話を通して、脳の老化を防げるからです。

会話は、基本的にどのような内容であっても構いません。他愛のない雑談であっても、会話を通して、人間の脳は活性化されるからです。

見当識障害は時間・場所・人間を認識する能力が衰える障害ですが、日常会話の時間を増やせば、そういった衰えは防げます。日常会話では、必然的に、時間・場所・人間を特定する機会が与えられるからです。

配偶者が他界した高齢者は、おのずと会話の時間が少なくなりがちです。その場合、地域のイベントや交流会に参加するなど、意識的に日常会話の機会を増やす努力が求められます。

まとめ

まとめ

見当識障害は認知症の主な症状の1つです。
時間、場所、人物に関する認識能力が低下し、一般的には「時間→場所→人物」の順で症状が進行します。

家族に見当識障害の人がいる場合は、障害の特性を理解した上で冷静に接する姿勢が求められます。

また、障害の特性上、見当識障害が進行するとお金の管理にも支障をきたします。
場合によっては、成年後見制度や家族信託等の認知症対策を取り入れ、本人の資産を守る必要があります。

ファミトラでは成年後見制度や家族信託の無料相談を受け付けています。財産管理に関しての認知症対策が気になる方は、ファミトラまでぜひご相談ください。

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PDF形式なのでお手持ちのスマートフォンやパソコンで読める。「家族信託」をまとめたファミトラガイドブックです!

この記事を書いた人

ファミトラは「人生100年時代のコンシェルジュ」として、認知症による資産凍結だけでなく、家族の老後にまつわるさまざまな課題解決に伴走しています。介護や相続の他、遺言や任意後見・成年後見制度、生前贈与といったこれまでの対策に加わるかたちで、「家族信託」のサービスをあたりまえにすることを目指しています。

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