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高齢の親との付き合い方で悩む方は多くいます。
人間は、年齢とともに環境や考え方が変化します。昔はうまくいっていたことが、大人になってそうもいかなくなることはよくあります。
特に、高齢者は体調の悪化や更年期障害等の症状により、精神が不安定になるケースが多くなりがちです。
親との付き合いは、時が経つにつれ難しくなる場合があり、そのようなケースでは相応の対策が必要になります。親子関係は、介護の方針や相続手続きにも影響するため、単なる人間関係の問題として片づけられません。
この記事では、高齢の親との付き合い方についてまとめました。親の対応や言動ににストレスを感じている方は、参考にしてみてください。
村上 菜子
(むらかみ なこ)
家族信託コーディネーター
社会貢献度の高い領域に携わりたいという思いと、認知症の祖母の自宅介護をサポートしてきた経験から、ファミトラの事業に共感し、入社。
ご家族のお悩みに寄り添い、安心して過ごしていただける最初の一歩のお手伝いができればと、家族信託コーディネーターとして日々邁進。
年老いた親に優しくできない・イライラするのはなぜでしょう?
「優しくしようとしてもできない」と感じている方も多いのではないでしょうか。
高齢の親に対して、子どもとして優しくできなくなる原因を解説します。
親に優しくできない原因としては、ストレスが考えられます。
仕事や育児で精神的に余裕のない状態で、親から小言を言われたり、頼まれごとをされたりした場合、余計にストレスを感じます。
気分の良いときは、多少嫌なことを言われても気になりません。
しかし気分が優れないときは、どうしてもイライラしてしまいます。
年老いた親に優しくできなくなったり、イライラしたりするのは、仕事や育児からくるストレスも原因といえるでしょう。
気分が優れない場合は、一人で時間を過ごすほうが、余計なストレスは感じずに済みます。
しかし親と同居している場合、一人の時間を確保するのは、一人暮らしに比べて困難です。こちらの精神状態などお構いなしに、親は話しかけてきます。
親と接する機会が少なくなることも、親に対してネガティブな感情を抱く原因となります。
実家を出て暮らすようになると、必然的に親との接触機会は減ります。
常日頃から会っている相手であれば、コミュニケーションを取るのは難しくありません。相手の好みやクセが、自然に分かるからです。
しかし離れて暮らすようになると、親とのコミュニケーションの取り方を忘れてしまいます。
いざ親と話す機会が訪れても、何を話せば良いか分からないという状況が起こり得ます。
コミュニケーション機会の減少は、親との会話にストレスを抱える要因といえるでしょう。
また、人の考え方は時間とともに変化します。
時間の経過とともに訪れる、個人の価値観の変化も違和感の原因になります。
日頃のコミュニケーションが極端に少ないと、お互いの変化に違和感を感じ、会話がギクシャクするかもしれません。
加齢による親の体調変化も、親子のコミュニケーションがうまくいかない原因となります。
体調や健康状態は、人間の気分に大きな影響を与えるからです。
体の調子が優れない日は、情緒も不安定になります。怒りっぽくなったり、人に当たったりする機会も増えがちです。
不安を抱えるあまり、子どもに何回も電話する人もいます。
子どもとして、親にはできるだけ優しく接しようとする人は多いでしょう。親の悩みを聞こう、悩みを解決しようと親身になる人もいるはずです。
しかし、怒りっぽかったり、同じことで何度も電話をかけてきたりする人に対応するのは、相手が親だとしても大変です。
体調の変化に伴う親の精神的な不安定さも、親子の会話がうまくいかない理由となり得るでしょう。
性格の不一致も、イライラやストレスの原因になります。
もともと性格が合わない相手である場合、親といえども、会話にストレスを感じるのは当然です。
親元を離れて暮らしている人の場合、その傾向はいっそう強まります。
同居の場合は、仕方がないにしろ、親の嫌な部分を受け入れられる可能性があります。喧嘩を避けるために、無理やりにでも、仲を取り繕う必要があるからです。
しかし別居の場合、お互いの嫌な部分に対する我慢が難しくなります。別々に暮らすようになってから、相手の嫌な部分に耐えられなくなったという人もいるでしょう。
親子といえども、お互い別の人格を持った人間です。性格の不一致が原因により、高齢の親に対し優しくできないパターンもあります。
日頃から親と接触する機会を設けておけば、親に振り回されていると感じる瞬間は減ります。
親とコミュニケーションを取ることを日常にしてしまえば、親との会話にストレスを感じる可能性が低くなるからです。
また、定期的なコミュニケーションは、親に安心感をもたらします。親の電話に出ない、メールに返信しないなどの行為を繰り返せば、親も不信感を抱きます。子どもからないがしろにされていると感じるかもしれません。
不信感を抱かせてしまうと、親の小言が増え、親とのコミュニケーションにストレスを感じるようになります。
面倒がって親との会話を避けると、さらに親の小言が増える結果となり、いっそう親との会話が嫌になります。
親とのコミュニケーションにおける悪循環を防ぐためには、日頃のコミュニケーションの機会を増やすのが近道です。
親の不満や愚痴を聞き流すくらいの余裕も、時には必要です。
親に振り回されていると感じるのは、親の不満や愚痴に対し、過度に向き合っている可能性があるからです。
人の悩みに対して真面目に耳を傾けることは、思いのほかエネルギーを使います。仕事や育児で疲れている人であれば、なおさらでしょう。
ストレスを抱えていたり、体調が優れなかったりする状態での親との会話は、真面目になりすぎないことも大切です。
親の立場からしても、話を聞いてほしいだけであって、真剣に問題を解決してほしいと思っていない可能性もあります。
話を聞いたという事実を積み重ねるだけでも、十分な効果があると考えましょう。
相手に振り回されていると感じないためには、こちらに求められるハードルを下げる工夫も大切です。
コミュニケーションがうまくいかない理由は、親の体調にも原因がある点を理解しましょう。
体調の悪化は、そのまま人間の心理や言動に影響するからです。
高齢になり、怒りっぽくなる方もいますが、更年期障害などの症状が原因となっている可能性もあります。
親の理解できない言動を、全て相手の性格の問題と捉えるのは良くありません。
性格に問題があると考えると、相手の言動を受け入れるのが難しくなるからです。
性格に問題があるのではなく、単に病気の症状が悪さをしていると考えれば、冷静に対処できるかもしれません。
もちろん病気とは関係なく、相手が社会的にふさわしくない言動を取る場合もあるでしょう。
しかし、病気とは無関係に思える場合でも、あえて病気のせいにすることで、平常心を保てます。
高齢の親とうまく付き合うには、感情的になりすぎない工夫が必要です。
親とのコミュニケーションにストレスを感じる方は、趣味を持つよう促しましょう。
親が没頭できる趣味を見つければ、子どもへの干渉も自然に弱くなります。
親が興味を持ちそうな内容をピックアップし、趣味が増えるようサポートしましょう。
趣味をサポートする際のポイントは、コミュニティーの存在です。親の趣味をサポートする場合は、同じ趣味を共有できる人の集まりが肝心です。
高齢者が求めているのは、趣味そのものよりも、会話をする相手であることも多いからです。会話をする相手が見つかれば、用事もなく子どもに電話をする回数も減るでしょう。
親に振り回されたくないと感じる方は、趣味と趣味の仲間を見つけるサポートをしましょう。
趣味によっては、お金がかかるものもあります。お金がかかる趣味であれば、必要な道具や器具をプレゼントするのも良いでしょう。プレゼントを通して、親子間の仲が良くなる効果も期待できます。
介護サービスや介護施設などの専門機関を頼る方法もあります。
介護サービスや介護施設の利用により、子どもにかかる負担が減らせます。
会話にストレスを感じ、高齢の親との接触を避けたがる人もいます。しかし、高齢の親を放置するのは危険です。
高齢者は、病気やけがをするリスクが高いからです。
この点、介護サービスや介護施設を頼れば、親に万が一のことが訪れた際の対応が早くなります。
特に、介護施設への入所は検討に値します。
介護施設では常に介護職員が周囲にいるため、もしものときの対応が万全だからです。
また介護施設では、入所者が楽しめるイベントやレクリエーションを開催している場合も多く、親が抱えるストレスの軽減にもなります。
介護施設や介護サービスのほかに、専門家によるカウンセリングを試すのも良いでしょう。
家族のメンバーだけで考えず、外部のサービスを利用する視点も、親と良好な関係を築く上では大切といえます。
家族が高齢の親にできることを大きく8つにまとめました。
紹介したのは一例であり、全てを網羅しているわけではありません。
見逃してはならない点は、親が何を望むか、子どもにどうしてほしいか理解しようとする姿勢です。
相手の望みを無視して、一般的に良しとされている内容を実践しても、逆効果になる恐れがあります。恩着せがましいと取られる可能性もあるでしょう。価値観や望みは個人によって異なり、年齢や世代は関係ありません。
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高齢の親との付き合い方でよくある悩みと対処法について解説します。
高齢になり、親がわがままになったと感じる人は多いようです。
子どものわがままは理解できるものの、大人のわがままとなると、受け入れがたいと感じる人もいるでしょう。
親がわがままであると感じる理由はさまざまです。
寂しさの裏返しという場合もありますが、認知機能や健康状態の低下が関係している可能性もあります。
まずは、親のわがままの原因を特定する作業から取りかかると良いでしょう。
認知機能や健康状態が原因となっている場合は、専門家への相談をおすすめします。家族のサポートのみでは解決が難しいかもしれません。
親がわがままになったからといって、相手の性格に問題があると考えるのは早計です。
親がわがままになったと感じる場合、親の健康状態にも注意を払う必要があります。
高齢になった親の言動に耐えられず、イライラしてしまう人は多くいます。「本当は親に優しくしたいのに、イライラしてしまって優しくできない」といったジレンマに苦しむ人もいるでしょう。
優しくしたいと思っている相手に、つい当たってしまうのは、とてもつらい心理状態です。
気分の良いときは優しくできても、常に気分が良いとも限りません。仕事や育児でストレスを抱えているタイミングで、親から小言を言われたり頼みごとをされたりすると、対応が荒くなりがちです。
1つの対策として、自分へのご褒美が考えられます。
気分が優れない場合、親の要望に応えた後においしいランチを食べに行くといった具合に、自分にご褒美を与えましょう。
親に気分を害された際に、自分の気分をコントロールするための術(すべ)があると、イライラに対処できます。
親からの偏った価値観の押し付けに悩む方はいます。
親は、いつまでも娘・息子を子ども扱いするものです。
子どもが40歳や50歳を超えても、親からすればいつまでも子どもなのでしょう。子どもの年齢に関係なく、親は子どもに対して常に自分が正しいと思いがちです。
結果、価値観のすれ違いが起こります。
自分の生活スタイルや考え方に口を出されて、嫌な気持ちをした方もいるのではないでしょうか。
高齢者には、いまだにインターネットに不信感を抱く人もおり、インターネットを情報源とする世代と摩擦が生じるケースもあるようです。
間違った情報、偏った情報をもとに、上から目線で意見を押し付けられると、相手が親といえ反論したくなるのは無理もないでしょう。
しかし、親子同士では情報源が異なりすぎるため、意見交換をしても対立するだけの結果に終わる可能性があります。
相手が明らかに間違っていても、笑って受け流す程度の余裕は持ちましょう。
高齢の親との付き合いは、親が若かった頃とは違う難しさがあります。
高齢の親と上手に付き合うには、原因を把握した上で、状況に適した対策を取る必要があります。
当事者だけで解決しようとせず、外部のサービスに頼る柔軟性も時には必要です。
高齢の親とのコミュニケーション不全は、単なる親子関係のみならず、認知症対策、相続対策などにも影響します。
家族信託や任意後見など、親の意向・気持ちを無視して進められない認知症対策や相続対策があるからです。
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